宮坂力の学歴・経歴は?ペロブスカイト太陽電池の発明についても調査

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曲げられる薄型のペロブスカイト太陽電池シート
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次世代のエネルギー技術として世界中から注目されている「ペロブスカイト太陽電池」。その実用化への扉を開いたキーパーソンが、化学者の宮坂力(みやさか つとむ)さんです。

ノーベル賞候補としても名が挙がる宮坂さんですが、その歩みは順風満帆なエリートコースだけではありませんでした。企業研究者として培った知見、大学教授への転身、そして若手研究者との出会いという重なりが、世界を揺るがす大発明を生み出す原動力となっています。

この記事では、宮坂力さんの詳しい学歴・経歴から、ペロブスカイト太陽電池が誕生した経緯、そして現在の取り組みや評価までを分かりやすくまとめました。

目次
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宮坂力の学歴と経歴:企業から大学教授・ベンチャー創業者へ

宮坂力さんは、東京大学大学院で工学博士を取得したのち、富士写真フイルムでの企業研究員を経て大学教授・ベンチャー創業者へと転身したという、多彩で実践的なキャリアの持ち主です。

学歴:建築志望から化学の道、東大大学院へ

宮坂さんは1953年9月10日生まれ、神奈川県鎌倉市出身です。幼少期はプラモデル製作やイラスト、デザインを好み、当初は建築家を目指していました。しかし高校時代の進路選択で化学の面白さに惹かれ、理系の道へと進みます。

  • 1976年3月:早稲田大学理工学部応用化学科 卒業
  • 1978年:東京大学大学院工学系研究科 工業化学専攻 修士課程修了
  • 1980年〜1981年:カナダ・ケベック大学 客員研究員
  • 1981年:東京大学大学院工学系研究科 合成化学専攻 博士課程修了(工学博士取得)

大学院時代には、光電気化学の世界的権威である本多健一氏の指導を受け、研究者としての強固な土台を築きました。

経歴:富士フイルム時代から大学発ベンチャー設立へ

大学院修了後は民間企業へ就職し、現場でのものづくりや研究開発に携わります。

  • 富士写真フイルム株式会社(現・富士フイルム)時代
    足柄研究所を中心に研究員・主任研究員として勤務。インスタントカメラ用の高感度フィルム、光電センサー、リチウム二次電池などの先進開発を担当しました。リチウム二次電池では実用化を目指したものの、採算性の観点から開発中止を経験するなど、厳しいビジネスの現実にも直面しています。
  • 桐蔭横浜大学への転身(2001年〜)
    企業での20年近い経験を携えて大学教授に着任。色素増感太陽電池の研究を皮切りに、のちのペロブスカイト太陽電池へと至る研究を本格化させました。
  • 大学発ベンチャー「ペクセル・テクノロジーズ」設立(2004年〜)
    技術の実用化・社会実装を加速させるため自ら会社を設立し、代表取締役を務めています。

基礎研究に留まらず、常に「社会でどう役立つか」を見据えてきた姿勢は、この企業と大学双方でのキャリアから培われたものです。

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ペロブスカイト太陽電池の誕生秘話:若手の着想と共同研究の力

ペロブスカイト太陽電池は、宮坂さん単独のひらめきではなく、若手研究者の柔軟な発想を受け止めたこと、そして海外チームとの連携によって誕生しました。

きっかけは大学院生・小島陽広さんの提案

2000年代前半、宮坂研究室ではプラスチックフィルムを用いた柔軟な「色素増感太陽電池」の研究に取り組んでいました。

そこに転機をもたらしたのが、当時東京工芸大学の大学院生だった小島陽広さんです。小島さんから持ち上がった「光を吸収する色素の代わりに、ペロブスカイト結晶材料を使えないか」という斬新な提案を、宮坂さんは頭ごなしに否定せず「まずは試してみよう」と後押ししました。

2009年の初報告から2012年の世界的大ブレイクへ

初期の実験では、ペロブスカイトが電解液に溶け出してしまうなど数々の課題があり、発電効率も高くありませんでした。しかし地道な改良を重ね、歴史的な一歩を踏み出します。

  • 2009年(変換効率 約3.8%)
    宮坂さんらは世界で初めて、ペロブスカイトを光吸収体として用いた太陽電池の論文を発表。当時はまだ世界的な大反響とまではいきませんでした。
  • 2012年(変換効率 10.9%を達成)
    オックスフォード大学のヘンリー・スネイス氏らとの共同研究により、電解液を使わない「全固体型」ペロブスカイト太陽電池の開発に成功。エネルギー変換効率が一気に10%の大台を突破しました。

これを契機に「次世代太陽電池の本命」として世界中の研究者が参入し、開発競争が一気に加速することになったのです。

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特徴と課題:なぜペロブスカイト太陽電池は期待されるのか

ペロブスカイト太陽電池の最大の利点は、従来のシリコン太陽電池にはない「薄さ・軽さ・柔軟性」です。

従来の常識を覆すメリット

  • どこにでも設置可能:ビルの壁面、耐荷重の小さい工場の屋根、湾曲したガラス面など、これまで置けなかった場所へ設置できる。
  • 低コスト化の可能性:原料をインクのように「塗布・印刷」して製造できるため、大規模な設備投資を抑えやすい。

将来的には、建物の外壁と一体化した建材や、持ち運べるモバイル太陽電池としての普及が期待されています。

実用化に向けた2つの大きな課題

一方で、広く社会に普及させるためにはクリアすべき壁も残されています。

  • 耐久性の向上:湿気や熱に弱いため、屋外で10年〜20年と長期安定稼働させるための封止(保護)技術が必須。
  • 環境負荷の低減:高効率な素子には鉛が含まれるケースが多く、安全性の担保や無鉛化材料の開発が進められている。

宮坂さんは現在も科学技術振興機構(JST)のプロジェクトや宇宙空間での利用を見据えた研究など、これらの課題克服に向けた挑戦を続けています。

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国内外での高い評価とノーベル賞への期待

ペロブスカイト太陽電池を生み出した功績により、宮坂力さんは国内外の著名な学術賞を多数受賞しています。

  • 日本化学会賞
  • 応用物理学会業績賞
  • 朝日賞
  • 日本学士院賞
  • 京都賞(先端技術部門)

基礎科学から産業応用までを大きく切り拓いた先駆者として、ノーベル化学賞の有力候補としても国内外から常に熱い視線を集めています。

まとめ

宮坂力さんの歩みとペロブスカイト太陽電池の発明について、重要なポイントを振り返ります。

  • 実践的なキャリア:早稲田大・東大大学院を経て富士写真フイルムに入社。採算性の壁や開発中止といった企業での実務経験を積んだ後、大学教授・ベンチャー創業者へ転身。
  • 人との出会いが拓いた発明:大学院生・小島陽広さんの「色素をペロブスカイトに変える」というアイデアを柔軟に受け止め、2009年に約3.8%の変換効率で発表。
  • 世界を動かした共同研究:オックスフォード大学との連携で全固体型を開発し、2012年に10.9%を達成したことで世界的な開発ブームへ発展。
  • 次世代エネルギーへの期待と課題:薄さ・軽さ・柔軟性を強みに壁面や曲面への応用が期待される一方、耐久性向上や鉛フリー化などの実用化課題に現在も挑戦中。
  • 国際的な高評価:日本学士院賞や京都賞など多数の栄誉に輝き、ノーベル化学賞の有力候補として世界中から注目を集め続ける。

若手の自由な着想を信じ、企業で培った実装力を融合させた宮坂さんの研究姿勢が、エネルギーの未来を大きく変えようとしています。実用化と社会実装に向けた今後の動向からも目が離せません。

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