ここ数年、「クマ出没」のニュースが一気に増えましたよね。
紅葉や滝を楽しめる人気スポット・赤目四十八滝も例外ではなく、SNSや口コミで「熊が出たらしい」「子どもを連れて行っても大丈夫?」と不安の声が上がっています。
実は赤目四十八滝では、2023年9月に「熊らしき黒い動物」が目撃されたとして、一時的に入山規制が行われたことがあります。ところがその後の徹底調査の結果、現場周辺でクマの姿や痕跡は確認されず、黒いニホンカモシカを誤認した可能性が高いと、管理者である赤目四十八滝渓谷保勝会と名張市が公式に発表しています。
一方で、同じ名張市内の住宅地や、香落渓・奈良県側の渓谷では、ここ数年クマ(またはクマらしき動物)の目撃情報が現実に増えているのも事実です。
この記事では、こうした公式情報・周辺地域の状況を整理しながら、「赤目四十八滝の観光コースは、今どれくらい安全なのか?」を、2025年11月時点の情報をもとに冷静に確認していきます。
📖 この記事で分かること
- 赤目四十八滝での公式な熊出没情報の有無(2023年騒動の結論含む)
- 名張市周辺・奈良県側での最新のクマ目撃状況
- 三重県全体の出没傾向と、赤目エリアの現実的なリスクレベル
- 出発前に確認すべき公式サイトと最小限の対策
赤目四十八滝に熊は出る?【結論】2025年時点の安全度
結論から言うと、2025年11月時点での赤目四十八滝は、「観光コース内でクマが頻繁に出ている状況ではないが、周辺地域では目撃例が増えており、山の中では『いつ遭遇してもおかしくない』前提で備えるべき場所」という位置づけになります。
📌 赤目四十八滝のクマリスク(結論)
- 渓谷内での確定情報:2023年の目撃騒動後、クマの痕跡は未確認
- 周辺地域の状況:名張市内・奈良県側では目撃例が増加傾向
- 現実的な安全度:基本対策を取れば、日中の観光コースは過度に恐れる必要なし
- 注意すべき点:「絶対に出ない」とは言い切れない。最新情報の確認と最小限の備えは必須
2023年「熊騒動」の経緯と公式結論
2023年9月27日、赤目四十八滝渓谷内の「竜ヶ壺」付近(入口から約1km地点)で、観光客が「熊らしき黒い動物が動いていた」と目撃・通報しました。
管理者の赤目四十八滝渓谷保勝会は、翌28日から不動滝より上流への入山を規制し、安全確認が終わるまで立ち入りを禁止する対応を取りました。
その後、保勝会と名張市職員が現地をくまなく調査したものの、クマの姿・足跡・フン・爪痕などの痕跡は一切見つかりませんでした。代わりに、現場周辺で黒毛のニホンカモシカが何度も目撃され、定点カメラにも撮影されていたことから、「このカモシカをクマと誤認した可能性が高い」と公式に発表されています。
これらの結果を受けて、赤目四十八滝渓谷保勝会は2023年10月2日に入山規制を全面解除し、引き続きパトロールの強化と定点カメラによる観測を行うと案内しました。
現時点での人身被害・目撃情報の有無
2023年の騒動を含め、2025年11月時点で、三重県の「ツキノワグマ出没情報マップ」、名張市のクマ関連のお知らせ、赤目四十八滝公式サイトを確認した限り、赤目四十八滝の観光コース内で、ツキノワグマによる人身被害が発生したという公式情報は見当たりません。
また、渓谷内でクマが確認された公式な出没情報も、2023年の調査結果以降は公表されていません。
💡 管理体制のポイント
赤目四十八滝では、疑いのある目撃情報があった際に「即日〜翌日には入山規制→現地調査→結果公表」という対応実績があります。問題があればすぐに規制・調査が入り、情報が公開される体制が整っている点は、訪問を検討するうえでの安心材料になります。
ただし、「渓谷内で確認されていない」ことと、「周辺地域にクマがいない」ことは別の話です。次のセクションで、名張市周辺・奈良県側の最新状況を見ていきましょう。
名張市周辺・奈良県側の最新クマ出没状況
赤目四十八滝の渓谷内では確認されていないものの、同じ名張市内や、山を挟んだ奈良県側では、ここ数年でクマ(またはクマらしき動物)の目撃情報が現実に増えています。
赤目四十八滝を訪れる際は、「赤目だけ」ではなく「名張〜宇陀の山地一帯」でクマの移動があると考えておく方が、現実的なリスク把握につながります。
名張市内での目撃事例(香落渓・梅が丘など)
名張市内では、以下のような公式な目撃情報が報告されています。
| 日時 | 場所 | 状況 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 2022年6月18日 | 青蓮寺・香落渓付近の県道 | ツキノワグマとみられる1頭が車の前方を約500m走行後、山中へ。ドライブレコーダーに記録 | 名張市・伊賀タウン情報YOU |
| 2025年6月3日 | 梅が丘の市道(小学校近く) | 高さ70〜80cmの黒い獣(ツキノワグマらしき動物)1頭を目撃。市が注意喚起・パトロール強化 | 名張市公式サイト |
特に注目すべきは、2025年6月の梅が丘での目撃です。梅が丘は名張市内の住宅地エリアであり、「山奥だけでなく、人の生活圏にも現れる可能性がある」ことを示しています。
香落渓は赤目四十八滝と同じく渓谷・断崖・森林が続く自然景観エリアで、赤目を訪れる観光客の中には「赤目のあと香落渓もドライブで回る」という人も多いため、一帯の山としてクマの存在を意識しておく必要があります。
奈良県側(宇陀市・龍鎮渓谷)の状況
赤目四十八滝から見て「山の向こう側」にあたる奈良県東部でも、クマ情報が増えています。
2025年7月26日、宇陀市の室生ダム湖畔道路(龍鎮渓谷近く)でツキノワグマが目撃され、宇陀市は「龍鎮渓谷」「室生不思木の森公園」への立入を一時禁止しました。8月4日に規制解除となったものの、「引き続き十分に注意を」との呼びかけが続いています。
宇陀市のクマ情報ページでは、2025年内だけでも複数の目撃場所(室生ダム湖畔、榛原内牧など)が記録されており、奈良県側でもクマの移動が確認されている状況です。
⚠️ 周辺地域から分かること
- 赤目四十八滝の渓谷内だけでクマを考えるのではなく、名張〜宇陀〜奈良東部の「山地一帯の動き」として理解する必要がある
- 車道沿い・住宅地近くでも目撃例があり、「山奥だけの話」ではなくなっている
- 観光地・景勝地でも、状況によっては立入規制が行われる可能性がある
つまり、赤目四十八滝だから特別危険というよりは、「名張〜宇陀の山岳エリア全体で、クマがいてもおかしくない場所になりつつある」と考えておくのが現実的です。
🎯 ここまでのポイント
- 赤目四十八滝の渓谷内では、2023年の調査以降クマの痕跡は未確認
- 名張市内(香落渓・梅が丘)や奈良県側(宇陀市)では、目撃例が増加
- 山地一帯として、クマの移動・出没を想定した準備が必要
次は、三重県全体のクマ出没傾向と、赤目エリアがどの程度のリスクレベルなのかを見ていきます。
三重県全体のツキノワグマ出没傾向と赤目エリアの位置づけ
名張市周辺だけでなく、三重県全体で見ても、ツキノワグマの出没件数はここ数年で急増しています。赤目四十八滝を訪れる際は、この「県全体の流れ」を理解しておくと、より冷静な判断ができます。
出没件数の急増と紀伊半島個体群の現状
三重県の「ツキノワグマ管理計画」によると、県内でのクマ目撃件数は以下のように推移しています。
- 2019〜2022年度:年間20件前後
- 2023年度:40件
- 2024年度:162件(暫定値)
わずか数年で、出没件数が一気に増加していることが分かります。
三重県にいるツキノワグマは、紀伊半島の独立した個体群に属します。過去の調査では紀伊半島全体の推定生息数は約180頭とされていましたが、2024年に和歌山・奈良・三重の3県が行った最新の推計では、約400〜500頭規模(約467頭)と見積もられており、個体数は増加傾向にあると考えられています。
📊 出没増加の背景
- 餌不足:ドングリなどの餌が不作の年は、人里への出没が増加
- 人の気配の減少:中山間地域の人口減少・耕作放棄地の増加で、クマが人里近くまで来やすくなっている
- 記録技術の普及:ドライブレコーダーやスマホ撮影の普及で、以前なら記録されなかった目撃例が報告されるように
県内では、紀北町〜尾鷲市〜熊野市にかけての山地を中心に生息しているとされますが、近年は北東部(伊賀・名張周辺)でも出没が増えているのが特徴です。
赤目四十八滝エリアのリスクレベル
三重県は、出没状況に応じて「三重県クマアラート」(注意報・警報)を出す仕組みを導入しています。2025年時点では、熊野市・御浜町・紀宝町(熊野地域)がアラート対象となっており、過去には伊賀・名張エリアが注意報の対象になったこともあります。
赤目四十八滝がある名張市は、「県内でも特に出没が多い南部(熊野)ほどではないが、伊賀〜名張という『クマ出没エリアの北限に近い地域』として要注意」という位置づけです。
💡 赤目エリアのリスク整理
- 絶対安全ではない:周辺での目撃例があり、「クマがいない」とは言い切れない
- 頻繁に出没しているわけでもない:熊野地域のような高頻度の出没状況ではない
- 基本対策は必須:「山に入る以上、クマに遭遇する可能性はある」前提で、最小限の備えをしておくべき
つまり、過度に恐れる必要はないものの、「何も考えずに歩いて大丈夫」という場所でもないということです。次のセクションでは、出発前に確認すべき公式情報と、最小限の対策を確認していきます。
出発前に確認したい公式情報と最小限の対策
赤目四十八滝を安全に楽しむために、出発前に確認すべき公式サイトと、現地で押さえておきたい基本的な対策をまとめました。
必ずチェックすべき公式サイト3つ
クマの出没情報は日々更新されるため、出発前には必ず最新情報を確認しましょう。以下の3つのサイトをチェックしておけば、現時点でのリスクを把握できます。
✅ 出発前の必須チェックリスト
- 三重県「ツキノワグマの出没にご注意ください!」ページ
直近1年分の出没情報マップ(Mie Click Maps)が公開されており、名張市周辺の最新状況を地図上で確認できます。
→ 三重県公式サイト - 名張市公式サイト:クマ関連のお知らせ
梅が丘や香落渓など、市内での目撃情報があった際に注意喚起が掲載されます。
→ 名張市公式サイト - 赤目四十八滝公式サイト・名張市観光協会
渓谷内の通行止め・入山規制・天候による規制などが案内されます。
→ 赤目四十八滝公式サイト / 名張市観光協会サイト
これらのサイトで「注意報」「警報」「入山規制」などの情報が出ていないかを確認してから出発すると安心です。
持ち物と歩き方の基本
赤目四十八滝は整備された遊歩道が続く観光地ですが、山の中であることに変わりはありません。以下の基本を押さえておきましょう。
- 熊鈴:1グループに1つ以上。静かな時間帯(平日・早朝・夕方)に歩く場合は特に重要です
- 滑りにくい靴:スニーカーよりトレッキングシューズが推奨。渓谷沿いは足元が滑りやすい場所もあります
- 明るい時間帯に歩く:クマは薄暗い時間帯に活動が活発になる傾向があるため、日中の明るい時間帯を選びましょう
- 人の多い時間帯を選ぶ:紅葉シーズンの土日など、人の往来が多い時間帯は、人の声や足音そのものが「熊よけ」になります
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⚠️ 山歩き中の注意点
- 静かに歩きすぎない(話し声・鈴・足音で自分の存在を知らせる)
- 見通しの悪いカーブや沢沿いでは、一声かけてから進む
- 草むら・ヤブなど「見えない場所」に、むやみに入り込まない
- ゴミ・食べ残しを絶対に放置しない
子連れ・初心者が押さえておくポイント
家族連れや初心者ハイカーの場合、以下の点を意識すると、より安全に楽しめます。
- 歩く距離を無理しない:小さな子ども連れなら、不動滝〜千手滝〜布曳滝あたりまでを目安に、無理せず引き返すのが現実的です
- 子どもを先行させない:子どもが走り回って先に行かないよう、親の近くを歩かせましょう
- 天候の悪い日は避ける:雨の日や夕方は視界が悪く、足元も滑りやすくなります。クマのリスク以前に、転倒などの危険も高まります
💡 現実的な安全度の考え方
赤目四十八滝は「絶対安全」ではありませんが、「基本対策を取れば、過度に恐れる必要はない」場所です。日中の時間帯に、整備された遊歩道を歩き、熊鈴などで自分の存在を知らせながら歩けば、子連れ・初心者でも現実的なリスクに抑えながら楽しめます。
大切なのは、「クマがいない」と思い込まないこと。そのうえで、最新情報をチェックし、無理のない計画で楽しむことです。
まとめ:最新情報を確認して、冷静な判断を
赤目四十八滝のクマ出没状況について、2025年11月時点の公式情報をもとに整理してきました。
✅ この記事のポイント
- 赤目四十八滝の渓谷内:2023年の「熊らしき動物」目撃騒動後、クマの痕跡は確認されず、ニホンカモシカの誤認と結論づけられている
- 周辺地域の状況:名張市内(香落渓・梅が丘)や奈良県側(宇陀市)では、ツキノワグマの目撃情報が実際に増加している
- 三重県全体の傾向:出没件数は2024年に162件(暫定値)と過去最多レベル。個体数も増加傾向にある
- 現実的な安全度:赤目エリアは「頻繁に出没している」わけではないが、「いつ遭遇してもおかしくない」前提で備えるべき場所
赤目四十八滝は、整備された遊歩道が続く人気の観光地であり、管理団体による安全対策も行われています。日中の明るい時間帯に、基本的な対策(熊鈴・公式情報の確認・無理のないコース設定)を取れば、子連れや初心者でも現実的なリスクに抑えながら楽しむことができます。
ただし、「絶対に安全」とは言い切れないのも事実です。大切なのは、過度に恐れることでも、油断することでもなく、「山に入る以上、クマに遭遇する可能性はある」という前提で、冷静に準備をすることです。
出発前には、必ず以下の公式サイトで最新情報を確認し、規制や注意報が出ていないかをチェックしてください。
この記事は、2025年11月13日時点の情報をもとにまとめています。状況は日々変化するため、訪問直前の最新情報確認を忘れずに、安心できる形で赤目四十八滝の美しい紅葉・渓谷歩きを楽しんでください。


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