お笑い芸人として活動しながら東京大学で経済学を学び、さらに大学院進学まで果たしたさんきゅう倉田さん。 「元国税職員の芸人」として知られていた方も多いと思いますが、2023年に東大文科二類へ合格したことで一気に注目を集めました。 そして2026年9月、東京大学大学院経済学研究科修士課程への合格を発表し、再び話題になっています。
なぜ芸人活動と並行して、これほど難関な試験に挑み続けてきたのでしょうか。 本記事では、さんきゅう倉田さんの学歴・経歴の全体像から、東大受験の3年間、そして大学院合格までの経緯や本人が語るエピソードまで、時系列で分かりやすく整理して紹介します。
さんきゅう倉田とは?経歴と学歴まとめ
さんきゅう倉田さんは、一般的な芸人とは異なる異色の経歴を持つ人物です。まずは生い立ちから現在に至るまでの流れを整理します。
- 1985年2月11日生まれ、神奈川県横浜市出身
- 高校は日本大学藤沢高等学校を卒業
- 高校時代に成績が急上昇し、複数の教科書を広げて勉強する姿から「デイトレーダー」と呼ばれていたというエピソードも
- 日本大学理工学部建築学科へ進学
- 大学在学中に公務員試験対策を始め、2007年に国税専門官試験に合格
- 2008年、東京国税局に入局
国税局では法人課税部門などに配属され、中小法人を対象とした税務調査を担当。法人税や消費税に関する実務経験を積みました。約2年1か月勤務した後、退職しています。
その後の進路として選んだのが、お笑いの世界でした。2010年にNSC東京校15期生として入学し、芸人としての道を歩み始めます。国税職員時代の知識を生かし、税金やお金に関する情報発信を行う「税金に詳しい芸人」という独自のポジションを築いていきました。講演や執筆、金融教育など活動の幅も広げ、2019年にはワインエキスパートにも合格しています。
そして大きな転機となったのが、2020年から始めた東大受験への挑戦です。3年間の勉強を経て2023年に文科二類へ合格し、東京大学経済学部金融学科へ進学。さらに2026年、東京大学大学院経済学研究科修士課程への合格を発表しました。
3年がかりで挑んだ東大受験の道のり
さんきゅう倉田さんの東大合格は、決して一度の挑戦で成し得たものではありません。3年間にわたる継続的な努力の末につかんだ結果でした。
東大受験を決意したのは2020年。新型コロナウイルスの影響で仕事が減少した時期に、腰を据えて勉強に取り組む決断をしたことがきっかけだったといいます。
勉強時間は年を追うごとに増加し、1年目は平均約10時間、2年目は約13時間、3年目にはついに約15時間に達しました。試験直前期には1日20時間ほど勉強した時期もあったとされています。
それでも、1年目・2年目は合格に届かず、3年目となる2023年の入試でようやく合格を果たします。しかもその結果は、合格最低点をわずか約0.99点上回るという僅差でした。2度の不合格を経験したうえでの合格だっただけに、その重みが伝わるエピソードといえます。
また、外国語の選択科目には英語ではなくフランス語を選んでいます。長く英語から離れていたことに加え、もともとワイン好きだったことも選択理由の一つだったそうです。
東大大学院合格までの経緯と理由
東大合格後、さんきゅう倉田さんはすぐに大学院進学を決めていたわけではありません。学部での学びを重ねる中で「もっと勉強したい」という気持ちが徐々に強まっていったというのが実際の経緯です。
入学当初は、周囲から卒業後の進路を聞かれても明確な答えを持っていなかったといいます。転機となったのは、2年次の秋学期から経済学部の授業を本格的に履修するようになったことでした。夏休みや春休みも勉強を続けたものの、「全然理解できない」と感じるほど、経済学の内容は奥深かったそうです。
しかし、分からないからこそもっと時間をかけて学びたいという思いが強まっていきました。加えて、テレビなどでマクロ経済学について話す機会があった際、自分の知識がまだ十分ではないと実感したことも、大学院進学を後押しする一因になったようです。
大学院受験の選考内容
内部生であったことから筆記試験は免除され、研究計画書・TOEFLのスコア・面接による選考が行われました。
- 英語は得意ではなかったが、大学2年次の2月から勉強を開始
- 大学4年次の6月にTOEFLを受験し、最低基準をクリアするスコアを取得
- 研究計画書では「自分にできること」「他者との差別化」「自分自身が面白いと思えるテーマ」を意識して作成
こうした準備を経て、2026年9月に東京大学大学院経済学研究科修士課程への合格が発表されました。2027年4月からの進学が予定されています。
税務署時代に見てきたリアルなエピソード
さんきゅう倉田さんの活動の土台には、国税職員として税務調査の現場に立った経験があります。決して穏やかとは言えない現場もあったようです。
- 上司から「パンチは避けろ、バットも避けろ、日本刀は逃げろ」と教えられていた
- 実際に調査先の社長宅でバットを振り回されたことがある
- 経理担当者が誤って、いわゆる「裏帳簿」を持ってきてしまったケースに遭遇
- 架空の従業員を設定し、給与を支払っていたケースを確認
- ゲーム機を「市場調査」の名目で経費計上していたケースも見てきた
こうした現場での経験は、現在の税金やお金を分かりやすく伝える活動の説得力にもつながっているといえるでしょう。
今後の活動と展望
大学院で経済学をさらに深く学ぶことは、さんきゅう倉田さんがこれまで続けてきた金融教育の取り組みとも地続きにあります。
本人は今後、芸能活動だけにこだわらず、「倉田健一」名義で金融教育プログラムの開発や金融関連の企画、さらには中小企業のプロジェクトマネジメントなどへも活動の幅を広げていきたいという考えを示しています。
元国税職員として税金の仕組みを知り、芸人として分かりやすく伝え、東大で経済学の理論を学んできた経験。それらをどう組み合わせて社会に還元していくのか、2027年以降の動きにも注目が集まります。
まとめ
さんきゅう倉田さんは、国税専門官から芸人へ、そして東大生から大学院生へと、その時々で「学び直す」という選択を重ねてきた人物です。
3年がかりの東大受験も、内部進学での大学院合格も、決して平坦な道のりではありませんでした。しかしその過程で得た知識や経験は、税金やお金を分かりやすく伝えるという、これまでの活動の軸をさらに強固なものにしています。
2027年4月からの大学院生活を経て、さんきゅう倉田さんが経済学の知識を金融教育や芸能活動にどう結びつけていくのか、今後の活動にも注目が集まりそうです。


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