ミュゼプラチナムはなぜ破産?急成長から崩壊までの経緯

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2025年8月18日、東京地裁は「ミュゼプラチナム」を運営するMPH(株)に破産開始決定を下しました。債権者は未施術の顧客を含めて約20万人、負債総額は約260億円にのぼります(東京商工リサーチ)。

結論から申し上げると、ミュゼプラチナムが破産に至った背景は、急成長を支える仕組みが追いつかず、前払金処理や予約困難が顧客不信を招いたためです。そして、度重なる親会社交代や経営混乱が継続し、最終的に資金繰りが破綻したのが要因となっています。

この記事では、ミュゼプラチナムがなぜ破産したのか、その急成長から崩壊までの経緯を時系列でご紹介し、顧客への影響についても整理してまいります。

目次

ミュゼプラチナムの急成長

ミュゼプラチナムは2002年に福島県のジンコーポレーションが始めた脱毛サロンです。 「低価格で定額制」「通い放題」といったシンプルな料金プラン、さらに人気モデルやタレントを起用した積極的な広告展開で一気に知名度を向上させました。

20代から30代の女性を中心に支持を集め、2014年8月期には全国で約170店舗を展開。売上高は約386億円に達し、脱毛サロン業界では最大級のブランドとしての地位を築きました。

問題の表面化 – 前払金と予約トラブル

しかし、急成長の裏側で大きな課題が浮き彫りになってきます。 まず、顧客が支払った前払金を「施術ごとに分割して売上に計上する」のではなく、一括で売上として処理していたことが判明しました。この手法は一時的には売上を大きく見せますが、資金繰りを不安定にし、経営を脆弱にする要因となったのです。

さらに会員数の急増により、予約が取りづらい状況が常態化することとなりました。 「せっかく契約したのに通えない」という声が増加し、解約や返金要請が相次ぐようになり、顧客の信頼を失っていったのです。

親会社の度重なる変更と混乱

経営悪化が進むなか、2015年12月にはRVH傘下のMITへ事業が移管されました。 その後も体制は安定せず、2020年にはG.Pホールディング傘下、2023年には船井電機グループが株式を承継するなど、短期間で何度も親会社が交代しています。

わずか10年ほどの間に繰り返された親会社の変更は、社内の混乱を招いただけでなく、従業員や顧客に「会社の先行きが不透明だ」という印象を与えました。安定しない経営体制は、顧客不信をさらに強める結果を招いています。

崩壊の過程 – 給与未払いから破産へ

2024年以降、状況はさらに深刻化していきます。 2025年初頭には従業員への給与未払いが発生し、経営権をめぐる内部対立も表面化しました。3月には全店舗の一時休業を発表し、実質的に事業継続が困難な状態へと陥ります。

5月には債権者から破産申立てが行われ、6月には会社自身が解散を決議。そして最終的に、8月18日に東京地裁から破産開始決定が下されることとなりました。 「倒産危機」と報じられてからわずか数か月で、破産に至った形になります。

顧客と従業員への影響

今回の破産により、債権者は未施術の顧客を含めて約20万人、負債総額は約260億円にのぼります(東京商工リサーチ)。

顧客が支払った前払金や未消化分については、破産管財人が設置する公式サイトにFAQが掲載される予定となっています。返金対応の可否や手続きは現時点で未定であり、今後の案内を確認する必要があるでしょう。

なお、「新生ミュゼプラチナム」や「どこでもミュゼプラチナム」といった別法人による運営は継続される見通しと報じられました(朝日新聞Biz)。ただし、今回破産したMPHと契約していた顧客に直接的な返金保証があるわけではないのが現状です。

まとめ – ミュゼプラチナムはなぜ破産したのか

ミュゼプラチナムが破産に至った理由は一つではなく、いくつもの問題が重なった結果といえるでしょう。

  • 急成長による予約困難と顧客不信
  • 前払金の一括処理による資金繰りの悪化
  • 親会社の度重なる変更による経営混乱
  • 給与未払いと全店休業で経営破綻が表面化

これらが連鎖的に作用し、最終的に破産という形に行き着きました。 顧客にとって最も気になる返金対応については、今後破産管財人の公式サイトに公開される情報を確認することが重要になってきます。

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