秋田県・抱返り渓谷に行ってみたいけれど、「最近は熊が多いって聞くし、実際どうなの?」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、抱返り渓谷では2023〜2025年にかけて遊歩道周辺で3年連続でクマの目撃情報があり、同じ仙北市内では2025年に人身被害も発生しています。一方で、観光地として整備されており、2025年も紅葉祭が開催されています。
この記事では、公式情報をもとに抱返り渓谷の最近のクマ出没状況と安全度、行く際の最低限の対策を整理します。
📖 この記事で分かること
- 抱返り渓谷で2023〜2025年に実際にあったクマ目撃情報
- 観光地としての整備状況と現在の安全度
- 行く場合の最低限の対策と情報収集すべき公式サイト
抱返り渓谷とは?場所と特徴を確認
抱返り渓谷(だきがえりけいこく)は、秋田県仙北市にある全長約10kmの渓谷です。田沢湖と角館の間を流れる玉川中流に位置し、新緑と紅葉の名所として知られています。
秋田県仙北市の渓谷・紅葉の名所
渓谷のハイライトは「回顧の滝」で、何度も振り返って見たくなる美しさからこの名がついたとされます。遊歩道は川沿いに整備されており、飯村少年碑までの散策で約40分程度です。
2025年も10月10日から11月10日まで「抱返り紅葉祭」が開催予定で、観光地として毎年多くの人が訪れています。仙北市の公式サイトでも田沢湖観光情報センターや角館駅前蔵で問い合わせを受け付けており、整備された観光スポットといえるでしょう。
仙北市全体がクマの生息域
一方で、秋田県全体がツキノワグマの主要な生息地です。秋田県は「クマダス」という出没情報マップシステムを運用しており、仙北市周辺でも多数の目撃情報が記録されています。
抱返り渓谷は山地と河岸林が連続する自然度の高い渓谷で、広葉樹の多い山と沢沿いの林が続く地形は、ツキノワグマの生息環境として適しています。仙北市の観光ページでも「市内各地でクマの出没が多発しています」と注意喚起されており、抱返り渓谷周辺を含む一帯がクマの生息域であることを理解しておく必要があるでしょう。
📌 ポイント
抱返り渓谷は整備された観光地ですが、仙北市全体がクマの生息域内にあります。観光地だから安全とは言い切れない点に注意が必要です。
抱返り渓谷のクマ出没情報【2023〜2025年】
抱返り渓谷では、2023年から2025年にかけて遊歩道周辺で毎年クマの目撃情報が確認されています。ここでは仙北市の公式発表と秋田県の出没情報マップ「クマダス」に基づいて、具体的な出没状況を時系列で整理します。
2023年9月:遊歩道入口で目撃
2023年9月6日午前8時50分頃、神代抱返り遊歩道入口(第2トイレ付近)でクマが目撃されました。これは仙北市の防災行政無線の放送履歴に記録されており、遊歩道の入口エリアでの目撃となります。
2024年6月:第2トイレ付近で目撃
2024年6月17日16時15分頃、抱返り渓谷の第2公衆トイレ付近でクマ1頭が目撃されました。この情報は秋田県の出没情報マップシステム「クマダス」に登録されている記録です。前年と同じく遊歩道の入口周辺での目撃となっています。
2025年8月:回顧の滝付近で目撃
2025年8月29日、仙北市は抱返り渓谷の「回顧の滝」付近でクマの目撃情報があったことを公式に発表しました。回顧の滝は抱返り渓谷のハイライトスポットで、遊歩道を進んだ先にある観光ポイントです。
この発表では、遊歩道に設置されている音を鳴らす金属製パイプを5カ所設置していることや、1人での散策は危険で必ず2人以上で行動するよう注意が呼びかけられました。
2025年10月:仙北市内で人身被害も発生
抱返り渓谷に限らず、仙北市全体で2025年はクマの活動が活発です。2025年10月18日、仙北市は角館町下延地内でクマによる人身被害が発生したことを公表しました。
また、2025年11月1日にも田沢湖卒田で移動中のクマ1頭の目撃情報が配信されており、紅葉シーズン終盤の時期も引き続き注意が必要な状況となっています。
| 年月 | 場所 | 状況 | 情報源 |
|---|---|---|---|
| 2023年9月 | 遊歩道入口(第2トイレ付近) | クマ目撃 | 仙北市防災無線 |
| 2024年6月 | 第2公衆トイレ付近 | クマ1頭目撃 | 秋田県クマダス |
| 2025年8月 | 回顧の滝付近 | クマ目撃 | 仙北市公式発表 |
| 2025年10月 | 角館町下延地内 | 人身被害発生 | 仙北市公式発表 |
⚠️ 注意
2023〜2025年の3年連続で、抱返り渓谷の遊歩道入口から回顧の滝周辺までクマの目撃情報が確認されています。観光エリア内でも出没があることを理解しておきましょう。
🎯 ここまでのポイント
- 抱返り渓谷では3年連続でクマの目撃情報あり
- 遊歩道入口から回顧の滝まで、観光エリア内での目撃
- 2025年は仙北市内で人身被害も発生している
では、これらを踏まえて抱返り渓谷は観光できるのか、安全度について見ていきましょう。
抱返り渓谷の安全度は?観光できるのか
3年連続の目撃情報と人身被害の発生を踏まえると、「抱返り渓谷は本当に観光できるのか?」と不安になるかもしれません。ここでは、プラス材料とマイナス材料の両面から現実的な安全度を整理します。
プラス材料:観光地として整備・祭も開催
抱返り渓谷は長年親しまれている観光地で、2025年も「抱返り紅葉祭」が10月10日から11月10日まで開催される予定です。遊歩道は川沿いに整備され、約40分のコースで見どころが連続する観光ルートになっています。
また、仙北市は遊歩道上に音を鳴らす金属製パイプを5カ所設置しており、散策者が音を出して歩けるよう対策を講じています。いわゆる「山奥の獣道」ではなく、観光地として整備された渓谷という点は安心材料といえるでしょう。
✅ 整備状況
- 遊歩道が整備され、約40分の観光コース
- 金属製パイプを5カ所設置(音出し対策)
- 2025年も紅葉祭を開催予定
- 観光案内所で情報提供あり
マイナス材料:3年連続目撃・生息域内
一方で、2023〜2025年の3年連続で遊歩道入口から回顧の滝付近までクマの目撃情報が確認されており、同じ仙北市内では2025年にクマによる人身被害も発生しています。
抱返り渓谷周辺は山地と河岸林が連続する自然度の高い環境で、もともとクマの生息域です。「たまたま山から下りてくる」レベルではなく、クマが生活する場所の一部であることを理解しておく必要があります。
特に、早朝・夕方など人が少ない時間帯、オフシーズンの平日、1人で黙々と歩くといった条件が重なると、クマとの鉢合わせリスクは確実に高まるといえるでしょう。
⚠️ リスク要因
- 3年連続で観光エリア内での目撃
- クマの生息域内にある渓谷
- 2025年は市内で人身被害も発生
- 早朝・夕方・1人歩きは特に危険
現実的な判断:日中・複数人・音出しで可能
これらを総合すると、抱返り渓谷の安全度は「クマの生息域であることを前提に、日中のメイン遊歩道を複数人で音を出しながら歩けば、リスクをある程度コントロールできる観光渓谷」といえます。
ただし、「クマの心配をほとんどしなくていい気軽な観光地」ではありません。クマが出ることを前提に準備し、最新情報を確認してから行くべき場所と考えておくのが現実的でしょう。
💡 安全度のまとめ
抱返り渓谷は整備された観光地ですが、クマの生息域内にあります。日中・複数人・音出し・最新情報確認という基本を守れば、「リスクを理解したうえで楽しむ」ことは可能です。
抱返り渓谷を歩く際の最低限のクマ対策
抱返り渓谷を安全に楽しむためには、クマ対策の基本を押さえておくことが重要です。ここでは、仙北市の公式発表や秋田県の注意喚起をもとに、最低限押さえておきたいポイントをまとめます。
✅ 最低限のクマ対策チェックリスト
- 必ず音を出しながら歩く:鈴・ラジオ・会話などで人の存在を知らせる
- 1人で行かない:必ず2人以上で行動する(仙北市も公式に推奨)
- 薄暗い時間を避ける:早朝・夕暮れは避け、日中の明るい時間帯に
- 最新情報を確認する:出発前に仙北市公式サイトとクマダスをチェック
抱返り渓谷の遊歩道には音を鳴らす金属製パイプが5カ所設置されています。トンネル前後など見通しの悪い場所では特に意識して音を出すようにしましょう。会話をしながら歩くだけでも効果があります。
また、仙北市は2025年8月の発表で「1人での散策は危険。必ず2人以上で行動してください」と明確に呼びかけています。早朝や夕暮れはお互いに気付きにくく、遭遇リスクが高まる時間帯です。日中の明るい時間帯に複数人で歩くことが基本となります。
💡 出発前の情報確認
出発前に以下の公式サイトで最新のクマ出没情報を確認しましょう。
- 仙北市公式サイトの新着情報(クマ出没・人身被害など)
- 秋田県の出没情報マップ「クマダス」(仙北市周辺で絞り込み)
この2つを出発前のルーティンにしておくことをおすすめします。
食べ物やゴミの扱いにも注意が必要です。お菓子やお弁当の残り、生ごみなどはクマを引き寄せる原因になります。食べ残しやゴミは必ず持ち帰り、車内に放置しないようにしましょう。
まとめ
抱返り渓谷は、エメラルドグリーンの渓流と紅葉のコントラストが美しい秋田県を代表する観光地です。一方で、クマの生息域内にあり、近年は毎年目撃情報が出ている場所でもあります。
✅ この記事のポイント
- 3年連続で目撃あり:2023〜2025年、遊歩道入口から回顧の滝付近まで毎年クマの目撃情報が確認されています
- 2025年は人身被害も:同じ仙北市内でクマによる人身被害が発生しており、注意が必要な年です
- 整備された観光地:遊歩道は整備され、音出し用パイプも設置。2025年も紅葉祭が開催予定です
- 対策すれば観光可能:日中・複数人・音出し・最新情報確認という基本を守れば、リスクを理解したうえで楽しむことができます
クマの存在をきちんと意識したうえで、「準備して楽しむ」というスタンスで計画してみてください。出発前には必ず仙北市の公式サイトと秋田県のクマダスで最新情報を確認しましょう。
参考にした情報源
この記事は、以下の公式サイトの情報をもとに作成しています(2025年11月4日時点)。
📚 公式情報源
【観光・基本情報】
【クマ出没・注意喚起】
- 仙北市 防災行政無線 放送履歴 2023年9月(2023年9月6日の目撃情報)
- 仙北市「抱返り渓谷の『回顧の滝』付近で熊の目撃情報」(2025年8月29日発表)
- 仙北市「クマによる人身被害の発生と注意について」(2025年10月18日発表)
【秋田県のクマ情報】
📅 情報の日付について
この記事は2025年11月4日時点の公式情報に基づいて作成しています。クマの出没状況は年や季節によって変化しますので、訪問前には必ず最新の情報をご確認ください。


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