修正サンラグ式とは?ドント式・サンラグ式との違いや仕組み、各政党への影響まとめ!

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衆議院比例代表の議席配分計算と修正サンラグ式をイメージした3Dチャートと天秤のイラスト
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2026年10月、自民党・日本維新の会・国民民主党の3党が衆議院の選挙制度見直し案で合意し、比例代表の議席配分を従来の「ドント式」から「修正サンラグ式」へ変更する案が盛り込まれました。

聞き慣れない計算方式のため、「どのような仕組みなのか」「これまでの選挙と何が変わるのか」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。この方式への移行は、得票数に応じた議席配分のバランスを変え、各政党の議席獲得の難易度を左右する大きな転換点となります。

本記事では、修正サンラグ式の基本的な仕組みから、ドント式・純粋サンラグ式との具体的な計算比較、各政党や比例31議席削減案への影響まで、要点を分かりやすく整理して解説します。

目次
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修正サンラグ式の仕組み:最初のハードルを「1.4」に設定する配分方式

修正サンラグ式とは、比例代表選挙において「極小政党の乱立を抑えつつ、得票率に近い公平な配分を目指す」ために考案された計算方式です。

比例代表制では各党の得票数に応じて議席を割り振りますが、単純な得票割合だけで決めるわけではなく、決められた数式で得票数を割った数値(商)が大きい順に議席を割り当てていきます。

計算の手順と割る数字

修正サンラグ式における最大の特徴は、最初の1議席目を割り出す除数が「1.4」に設定されている点です。2議席目以降は、奇数で割っていきます。

  • 1議席目の計算:得票数 ÷ 1.4
  • 2議席目の計算:得票数 ÷ 3
  • 3議席目の計算:得票数 ÷ 5
  • 4議席目の計算:得票数 ÷ 7
  • 5議席目の計算:得票数 ÷ 9

各党の得票数を上記の数字で順に割り、算出された商を全政党横断で大きい順に並べ、定数に達するまで上位から議席を配分します。議席を重ねるごとに割る数字が急激に大きくなるため、同じ政党が次の議席を獲得するための数値は小さくなっていきます。

最初だけ「1.4」で割る理由

1議席目の除数を「1」ではなく「1.4」とする狙いは、得票数が極めて少ない政党が初議席を獲得するハードルを引き上げるためです。

後述する純粋なサンラグ式のように最初を「1」で割ると、わずかな得票でも1議席目に手が届きやすくなり、議席が細かく分散して政権運営が不安定になる懸念が生じます。一方で最初を1.4で割れば最初の商が圧縮されるため、一定以上の支持基盤を持たない極小政党の参入が難しくなります。

なお、海外でも修正サンラグ式は採用されており、ノルウェーやスウェーデンが代表例です。ただしスウェーデンでは2018年選挙から最初の除数を1.2とするなど、国や制度設計によって数値に細かな違いがあります。

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ドント式・サンラグ式・修正サンラグ式の違いと計算シミュレーション

3つの配分方式の違いは「得票数を割っていく除数の並び」にあり、どの方式を採用するかによって大政党と中小政党の力関係が変化します。

3方式の除数比較

  • ドント式(割る数:1、2、3、4、5…) 連番の整数で割るため除数の増加が緩やかで、得票数の多い大政党が議席を独占・積み増ししやすい傾向があります。
  • サンラグ式(割る数:1、3、5、7、9…) 奇数で割るため大政党の商が急速に小さくなり、中小政党にも議席が回りやすい比例性の高い方式です。
  • 修正サンラグ式(割る数:1.4、3、5、7、9…) 大政党の議席独占を防ぎつつ、極小政党の最初の1議席獲得も抑える、ドント式とサンラグ式の中間に位置する方式です。

具体例で見る議席配分の違い

総得票数10万票、配分議席7議席の選挙区において、4政党の得票数が以下のようになったケースで試算します。

  • A党:50,000票
  • B党:30,000票
  • C党:12,000票
  • D党:8,000票

各方式で計算した結果の上位7議席の割り当ては、次のようになります。

  • ドント式の場合 A党(4議席:50,000/25,000/16,667/12,500) B党(2議席:30,000/15,000) C党(1議席:12,000) D党(0議席:最大値8,000が届かず落選)
  • サンラグ式の場合 A党(3議席:50,000/16,667/10,000) B党(2議席:30,000/10,000) C党(1議席:12,000) D党(1議席:初議席の商8,000がA党の4議席目候補7,143を上回り獲得)
  • 修正サンラグ式の場合 A党(4議席:35,714/16,667/10,000/7,143) B党(2議席:21,429/10,000) C党(1議席:8,571) D党(0議席:8,000÷1.4=約5,714となり、A党の7,143に及ばず落選)

純粋なサンラグ式では議席に手が届いたD党ですが、修正サンラグ式では「÷1.4」の補正が入ったことで初議席を逃す結果となりました。得票規模の小さな政党にとって、最初の除数1.4が実質的な足切りラインとして機能することが分かります。

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各政党への影響と比例31議席削減・統一名簿の焦点

今回の改革は計算方式の変更にとどまらず、比例定数の削減がセットになっているため、中小政党が一律に有利になるとは限りません。

3党合意に盛り込まれた主な改革案

2026年10月29日に自民党・日本維新の会・国民民主党が合意した見直し案には、次の項目が含まれています。

  • 比例代表の31議席削減(176議席から145議席へ縮小、総定数は465から434へ)
  • 議席配分をドント式から修正サンラグ式へ変更
  • 中国ブロックと四国ブロックの統合
  • 比例復活に必要な最低得票率の引き上げ
  • 名簿登載者が不足した場合は議席を欠員扱い
  • 複数政党が候補者を一本化できる「比例統一名簿」の導入

自民党試算に見る議席占有率の変化

過去の衆院選得票数をベースに提示された試算では、全体の議席数が減る影響から主要政党の議席数自体は減少傾向を示しています。

  • 自民党:330議席 → 310議席(総議席占有率は70.97%から71.43%へ微増)
  • 国民民主党:18議席 → 16議席
  • 日本維新の会:12議席 → 13議席
  • 参政党:14議席 → 13議席

配分方式がドント式から修正サンラグ式に変わっても、比例代表全体のパイが145議席まで縮小すると、1議席あたりの獲得に必要な得票ボーダーラインが上がります。その結果、議席規模の小さな政党ほど定数削減の逆風を受けやすくなります。

比例統一名簿の導入による選挙協力の行方

あわせて注目されるのが、異なる政党が一つの名簿を共同で届け出られる「比例統一名簿」の導入です。

単独では修正サンラグ式の初議席ハードル(1.4割)や定数削減の壁を越えられない中小政党でも、名簿を一本化すれば票を結集させて議席を確保しやすくなります。野党再編や選挙協力の後押しとなる可能性がある一方、当選後の所属や政党交付金の配分ルールなど、実務面の運用課題も残されています。

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まとめ:修正サンラグ式と比例定数削減がもたらす選挙の新たな構図

修正サンラグ式は、最初の1議席目のハードルを「1.4」で割ることで引き上げつつ、2議席目以降は奇数で割ることで得票率に応じた配分を目指す方式です。大政党が議席を独占しがちなドント式と、極小政党にも議席が回りやすいサンラグ式の中間に位置づけられます。

今回の衆議院選挙制度改革案における要点は以下の通りです。

  • 大政党の議席独占抑制と極小政党の乱立防止 従来のドント式に比べて大政党の議席積み増しが抑えられる一方、最初の除数が1.4となるため、支持基盤の極めて小さな政党にとっては初議席の獲得が難しくなります。
  • 比例代表31議席削減との相乗効果 比例代表の総枠が176議席から145議席へと狭まることで、1議席あたりの当選ボーダーラインは上がります。計算方式が変わるからといって、中小政党が一律に有利になるとは限りません。
  • 比例統一名簿がもたらす選挙協力の可能性 複数の政党が共同で候補者名簿を提出できるようになることで、単独ではハードルを越えられない政党同士の連携や統廃合が進む契機になり得ます。

修正サンラグ式の導入と比例代表の定数削減は、単なる計算ルールの変更にとどまらず、国会内の勢力図や各政党の選挙戦略を根本から塗り替える可能性を秘めています。今後の国会提出や法案審議の行方を含め、制度改革の具体的な進展を引き続き注視していく必要があります。

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