「宝登山って観光地だし、熊なんて出ないよね?」——そう思って調べ始めた方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、宝登山でも熊の痕跡情報が出ています。2025年10月には、宝登山中腹の四阿(あずまや)付近で「クマのものと思われる痕跡」が長瀞町から公式に発表されました。低山・観光地であっても、油断はできません。
ただし、事前に情報を確認し、基本的な対策を取れば過度に心配する必要はありません。この記事では、長瀞町や埼玉県の公式情報をもとに、宝登山周辺の熊出没状況と具体的な対策をわかりやすくまとめました。
この記事でわかること
- 宝登山・長瀞町の直近の熊出没・痕跡情報(2025〜2026年)
- 出発前に確認すべき公式情報と連絡先
- 現地で実践できる具体的な熊対策
観光の散策には、熊よけ鈴があると安心です
山側へ足を伸ばす場合は、熊撃退スプレーの携帯も検討しておきましょう
宝登山・長瀞町の「直近の記録」まとめ(2025〜2026年1月)
宝登山では、2025年10月に熊の痕跡情報が公式に発表されています。「目撃」ではなく「痕跡」ですが、登山道を利用する方は警戒が必要です。
2025年10月29日:宝登山中腹「四阿付近」の痕跡情報
長瀞町の公式お知らせによると、2025年10月29日14時頃、宝登山中腹の四阿(あずまや)付近で「クマのものと思われる痕跡」が確認されました。
痕跡とは、糞や足跡、爪痕などを指します。直接の目撃ではないため「熊がいた」と断定はできませんが、登山道周辺に熊が活動していた可能性を示す情報として、注意が必要です。
出典:長瀞町 お知らせ クマの出没・目撃情報について(更新日:2025年11月4日)
2025年12月17日:長瀞町風布での目撃情報
宝登山の直接の記録ではありませんが、周辺エリアでも目撃情報が出ています。
秩父警察署の発表によると、2025年12月17日、長瀞町風布(寄居風布インターチェンジ南西方向約1,600メートル)で熊の目撃がありました。山中だけでなく、集落に近い場所でも記録があるという点は、頭に入れておきたい情報です。
出典:埼玉県警察【令和7年11月~12月】秩父警察署管内クマ目撃情報(更新日:2026年1月8日)
公式情報の確認先と優先順位
熊の出没情報は、以下の順番で確認するのがおすすめです。
【当日確認の優先順位】
- 長瀞町のお知らせ:地元の最新情報が最も早く反映されることが多い
- 秩父警察署の管内情報:目撃情報が随時更新される
- 埼玉県の出没マップ:広域の傾向把握に便利(ただし、見間違い等が含まれる可能性もあるため過信しない)
出典:長瀞町「クマ出没・目撃情報について / 埼玉県ツキノワグマ出没マップ
埼玉県全体では増えている?年度推移と2025年の要因
埼玉県全体で見ると、熊の目撃件数は増加傾向にあります。宝登山だけの話ではなく、秩父地域を含む県西部で広く注意が呼びかけられています。
埼玉県の目撃件数推移(令和3年度〜令和7年度)
埼玉県の資料によると、目撃件数は以下のように推移しています。
- 令和3年度:55件
- 令和4年度:78件
- 令和5年度:144件
- 令和6年度:108件
- 令和7年度:150件(※11月末時点)
令和7年度は11月末時点の集計ですが、すでに過去最多ペースで推移しています。
出典:埼玉県資料(PDF)/ 埼玉県議会資料
2025年の出没増要因:堅果類の不作
2025年に目撃が増えている背景として、埼玉県は「ブナの実の大凶作」を挙げています。
熊の主な食べ物であるドングリやブナの実(堅果類)が不作になると、食べ物を求めて行動範囲が広がり、人里や登山道に出てくる可能性が高まります。埼玉県は2025年10月7日付で「冬にかけて出没の可能性が高まる」と注意喚起を行いました。
出典:埼玉県 クマの主食となるブナの実が「大凶作」の予測(2025年10月7日)
【補足】目撃件数の増加=危険度の急上昇とは限りません。ただし、「低山だから安心」とは言えない状況であることは確かです。次の章では、宝登山で特に注意したい場面を整理します。
宝登山で注意したい”場面”の整理(低山×観光地の特徴)
宝登山は標高497メートルの低山ですが、熊と遭遇しやすい条件は十分に成立します。「観光地だから大丈夫」ではなく、場面ごとに警戒ポイントを押さえておくことが大切です。
低山でも”遭遇条件”は同じ
熊との遭遇リスクが高まる場面は、山の標高に関係なく共通しています。以下のような条件が重なるときは、特に注意が必要です。
【注意したい場面チェックリスト】
- 藪や草が生い茂った場所:見通しが悪く、お互いに気づきにくい
- 沢筋・水辺:熊が水を飲みに来ることがある
- 林の縁(林縁):森と開けた場所の境目は熊の通り道になりやすい
- 早朝・夕方の薄暗い時間帯:熊の活動が活発になりやすい
- 単独行動:人の気配が少なく、熊に存在を気づかせにくい
- 風が強い日・沢の音が大きい場所:足音や話し声がかき消されやすい
宝登山の登山道にも、見通しの悪い区間や林に囲まれた場所があります。ロープウェイ周辺や神社参道は人通りが多いですが、登山道に入ると状況は変わります。「低山だから」「観光地だから」と油断せず、上記の条件に当てはまる場面では警戒を強めてください。
出没マップの見方(過信せず、当日の確認に使う)
埼玉県は「ツキノワグマ出没マップ」をインターネット上で公開しています。宝登山周辺の状況を把握するのに便利ですが、使い方には注意が必要です。
このマップは、市町村などからの報告をもとに県が注意喚起の目的で作成しています。すべての情報が正確とは限らず、見間違いなどが含まれる可能性もあります。
「マップに載っていないから安全」ではなく、「載っていなくても警戒は必要」という姿勢で活用してください。あくまで出発前の参考情報として確認し、当日は現地の掲示や施設スタッフの案内も併せて確認することをおすすめします。
宝登山に行く前・歩いている間の具体的対策
熊対策の基本は「出会わないこと」です。出発前の情報確認と、歩いている間の「音出し」「複数行動」「痕跡を見たら引き返す」を徹底すれば、リスクは大きく下げられます。
出発前に確認すべきこと
宝登山へ向かう前に、以下の情報を必ずチェックしてください。
【出発前チェックリスト】
- 埼玉県の出没マップで宝登山周辺の最新状況を確認
- 長瀞町のお知らせで直近の痕跡・目撃情報を確認
- 秩父警察署の管内情報で周辺の目撃情報を確認
- 登山道の通行止め情報を確認(熊以外の理由で規制が出ていることもある)
- ロープウェイの運行状況を公式サイトで確認(点検等で運休の場合あり)
特に登山道の通行止めは、熊とは別の理由(倒木、土砂崩れなど)で出ることもあります。出発当日に公式サイトや現地の掲示を確認するようにすると安心です。
なお、長瀞アルプスの「神まわりコース」については、長瀞町観光協会のサイトで「通行不可」の記載があります(2026年1月時点)。熊が直接の理由かどうかは明記されていませんが、コース計画を立てる際は事前に確認してください。
携行品:熊鈴・ラジオは有効?
埼玉県や県警の注意喚起では、以下の携行品が推奨されています。
- 熊鈴:歩くたびに音が鳴り、熊に人間の存在を知らせる
- ラジオ:話し声や音楽で存在をアピールできる
- ホイッスル:緊急時に大きな音を出せる
- ライト:薄暗い時間帯や見通しの悪い場所で役立つ
熊鈴やラジオは「絶対に遭遇を防げる」というものではありませんが、熊に自分の存在を早めに気づかせる効果が期待できます。特に単独で歩く場合や、見通しの悪い区間では持っておくと安心です。
歩いている間の基本行動
登山道を歩く際は、以下の行動を心がけてください。
【歩行中の基本対策】
- 複数人で行動する:人の気配が大きくなり、熊が避けやすくなる
- 定期的に音を出す:話し声、手を叩く、熊鈴を鳴らすなど
- 見通しの悪い場所では立ち止まって確認:曲がり角や藪の手前で一呼吸置く
- 早朝・夕方の行動は避ける:やむを得ない場合は特に警戒を強める
- 食べ物のにおいを出さない:ゴミは必ず持ち帰る
痕跡(糞・足跡)を見つけたときの判断
登山道で熊の糞や足跡、爪痕などの痕跡を見つけた場合は、以下のように対応してください。
- その場で立ち止まり、周囲を確認する
- 痕跡が新しそうであれば、引き返すことを検討する
- やむを得ず進む場合は、音を大きく出しながら慎重に進む
- 下山後、長瀞町または秩父警察署に情報を伝える
「せっかく来たのに」という気持ちはわかりますが、痕跡があるということは近くに熊がいる可能性があります。無理に進まず、安全を優先してください。
遭遇時の行動と”現地の連絡先”一覧
万が一、熊に遭遇してしまった場合は、まず自分の安全確保を最優先にしてください。安全な場所に避難してから、長瀞町や秩父警察署へ連絡しましょう。
熊に遭遇したときの基本行動
熊と出会ってしまった場合は、以下の行動を心がけてください。
【遭遇時の基本対応】
- 走って逃げない:熊の本能を刺激し、追いかけられる可能性がある
- 大声を出さない:熊を興奮させる恐れがある
- 熊から目を離さず、ゆっくり後退する:背中を見せない
- 熊との距離を十分に取る:50メートル以上が目安
- 安全な場所(建物・車など)に避難する
熊がこちらに気づいていない場合は、静かにその場を離れてください。気づいている場合でも、落ち着いて距離を取ることが大切です。
通報の手順と伝える内容
安全な場所に避難できたら、以下の順番で連絡してください。
- 長瀞町役場(町民課環境衛生担当)または秩父警察署に電話
- ロープウェイや神社など施設を利用中の場合は、スタッフにも伝える
- 電話がつながりにくい場合は、長瀞町観光案内所に連絡
【通報時に伝える項目】
- 目撃した日時
- 場所(できるだけ具体的に:登山道名、目印となる建物や看板など)
- 熊の頭数(わかる範囲で)
- 熊の大きさ・特徴(わかる範囲で)
- 熊が向かった方向
- 自分の現在地と連絡先
緊急連絡先一覧
宝登山周辺で熊を目撃した場合や、緊急時の連絡先をまとめました。出発前にメモしておくか、スマートフォンに登録しておくと安心です。
- 長瀞町役場(町民課環境衛生担当):0494-66-3111
長瀞町「クマ出没・目撃情報について」 - 秩父警察署:0494-24-0110
埼玉県警察 秩父警察署 - 埼玉県秩父環境管理事務所:0494-23-1511
埼玉県「野生生物(クマ・イノシシなど)に注意!」 - 宝登山ロープウェイ:0494-66-0258
宝登山ロープウェイ公式ホームページ - 寳登山神社:0494-66-0084
寳登山神社公式ホームページ - 長瀞町観光案内所:0494-66-0307
長瀞町観光案内所について
※電話番号は2026年1月時点の情報です。お出かけ前に公式サイトで最新情報をご確認ください。
よくある質問(FAQ)
- 宝登山で本当に熊は出るのですか?
-
2025年10月に、宝登山中腹の四阿付近で「クマのものと思われる痕跡」が長瀞町から公式に発表されています。直接の目撃ではありませんが、熊が活動していた可能性を示す情報として注意が必要です。また、周辺の長瀞町風布でも2025年12月に目撃情報が出ています。
- 熊鈴は持っていったほうがいいですか?
-
埼玉県や県警の注意喚起では、熊鈴やラジオの携行が推奨されています。絶対に遭遇を防げるわけではありませんが、熊に自分の存在を早めに知らせる効果が期待できます。特に単独行動や見通しの悪い区間では持っておくと安心です。
- ロープウェイや神社の周辺なら安全ですか?
-
人通りが多い場所では熊が出にくい傾向がありますが、絶対に安全とは言い切れません。2025年10月の痕跡情報は宝登山中腹で確認されており、登山道に入ると状況が変わります。どこにいても基本的な警戒は必要です。
まとめ:宝登山の熊対策ポイント
この記事では、宝登山・長瀞町周辺の熊出没情報と具体的な対策について、公式情報をもとに解説しました。
【押さえておきたいポイント】
- 2025年10月、宝登山中腹で熊の痕跡情報が公式発表されている
- 周辺の長瀞町風布でも2025年12月に目撃情報あり
- 埼玉県全体で目撃件数は増加傾向(令和7年度11月末時点で150件)
- 基本対策は「音出し」「複数行動」「痕跡を見たら引き返す」
- 出発前に公式情報(町→警察→県マップ)を必ず確認する
最も大切なのは「出会わないための準備」です。熊鈴やラジオを携行し、複数人で行動し、見通しの悪い場所や薄暗い時間帯では警戒を強めてください。痕跡を見つけたら無理せず引き返す判断も重要です。
宝登山は低山・観光地として人気がありますが、自然の中にいることに変わりはありません。正しい情報と基本的な対策を持って、安全に山歩きを楽しんでください。
【主要出典一覧】
- 長瀞町 お知らせ クマの出没・目撃情報について(2025年11月4日更新)
- 埼玉県警察【令和7年11月~12月】秩父警察署管内クマ目撃情報(2026年1月8日更新)
- 埼玉県資料(PDF)
- 埼玉県 クマの主食となるブナの実が「大凶作」の予測(2025年10月7日)
- 埼玉県「野生生物(クマ・イノシシなど)に注意!」
- 埼玉県警察「山岳救助隊ニュース令和7年第6号」
※本記事は2026年1月21日時点の公式発表・報道をもとに作成しています。最新の状況は、必ず自治体などの公式情報もあわせてご確認ください。


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