この記事でわかること
- 幼少期〜小学校時代のゴルフ成績と出会い
- 中学・高校でのバスケットボール経験
- 同志社大学でのゴルフ再挑戦と大会実績
- 鳴尾GC研修生からプロテスト合格までの道のり
- プロ転向後(2025年以降)の公式な活動記録
華やかなゴルフの世界では、多くの選手が幼い頃からクラブを握り続けてきたイメージがあります。しかし、中には思いもよらぬ遠回りを経験し、その経験を糧に大きく成長する選手もいるのです。
2024年のプロテストを見事突破した中地萌プロは、まさにそんな一人。小学生時代にゴルフの魅力に惹かれながらも、一度は全く違う道を歩み、大学時代に再びクラブを握ったという興味深い経歴の持ち主です。
彼女の歩んできた軌跡は、決して平坦ではありませんでした。それでも諦めることなく夢を追い続けた姿勢が、多くのゴルフファンに勇気と感動を与えています。
🏌️♀️ 中地 萌のプロフィール
氏名 | 中地 萌(なかじ・もえ) |
出身地 | 奈良県生駒市 |
生年月日 | 1998年12月5日(26歳・2025年6月時点) |
身長・体重 | 173 cm ・ 58 kg |
血液型 | B型 |
ゴルフ歴 | 8歳からスタート |
出身校 | 同志社大学(京都府) |
所属 | 鳴尾ゴルフ倶楽部(研修生として) |
得意クラブ | ドライバー(平均飛距離240ヤード) |
同志社大学在学中にゴルフを再開し、卒業間近にベストスコア68を記録。5度目のプロテスト挑戦で見事最終合格を果たし、身長を活かしたショット力と笑顔を武器に、鳴尾GC所属の26歳ルーキーとしてプロデビューを迎えています。
幼少期〜小学生時代:ゴルフとの運命的な出会い
8歳で始まった新たな世界
奈良県生駒市で生まれ育った中地萌さんがゴルフの世界に足を踏み入れたのは、わずか8歳の時でした。父親の影響で始めたゴルフは、当初は週末の親子の触れ合いの場として始まったものです。
しかし、クラブでボールを打つ爽快感と、思い通りにボールをコントロールできた時の達成感に魅了された萌さんは、次第にゴルフの奥深さに惹き込まれていきました。父親も熱心なアマチュアゴルファーとして地域の大会に参加しており、そんな環境が彼女のゴルフ熱をさらに高めることとなったのです。
ジュニア大会での本格的なスタート
小学校中学年になると、関西地区のジュニアゴルフ大会への参加が始まりました。初めて出場した「全国小学生ゴルフ春季大会」では、緊張のあまり思うようなプレーができませんでしたが、それでも全国レベルの大会に参加できる喜びの方が大きかったといいます。
大会名 | 年齢 | 成績・特記事項 |
全国小学生ゴルフ春季大会 | 小学4年生 | 初出場・全国レベルを体験 |
関西女子ジュニア | 小学5-6年生 | 継続出場・上位入賞経験あり |
奈良県ジュニア | 小学生期間 | 地域大会で安定した成績 |
家族のサポートと競技への情熱
「毎回違うゴルフ場で、初めて会う友達と競うのがすごく楽しかった」と当時を振り返る中地さん。週末になると家族総出で遠征することも多く、温かい家庭のサポートが彼女の競技生活を支えていました。
この時期に培われた「勝負への執着心」と「ゴルフの基礎技術」は、後の遠回りを経ても色褪せることのない貴重な財産となっていたのです。
中学〜高校:バスケットボールへの転身と6年間のブランク
新たな挑戦への転機
小学生時代に全国大会の舞台を経験した中地萌さんでしたが、中学進学を機に大きな決断を下します。それは、ゴルフから離れてバスケットボール部に入部することでした。
なぜバスケットボールを選んだのか?
- 個人競技では味わえないチームスポーツの魅力に惹かれた
- 仲間と一緒に戦う喜びや友情に憧れを感じた
- 日々の練習を通じて築かれる絆に新鮮さを覚えた
6年間のバスケ部生活で得たもの
中学・高校の6年間、中地さんはバスケットボール一筋の生活を送りました。地元奈良県の学校で、朝練から放課後の練習、夏の合宿まで、まさに部活動に全力投球の日々でした。
バスケ部時代に培った能力
- 体力・瞬発力:激しい運動量に対応できる基礎体力
- 協調性:チームプレーの重要性と仲間への気配り
- メンタル力:緊張した場面でも冷静さを保つ精神力
- 向上心:日々の練習で技術を磨く継続力
ゴルフとの繋がりは完全に断たれていたわけではない
この期間中も、時折父親に誘われて練習場に足を運ぶことはありました。ただし、それは競技としてのゴルフではなく、あくまで家族との交流や息抜きの場としての位置づけでした。
「部活が楽しくて、正直ゴルフのことはほとんど考えなかった」と振り返るように、心も体もバスケットボールに注がれていた充実の6年間だったのです。
大学時代:同志社大学での劇的な復活
スポーツとの関わりを求めて
バスケットボールに打ち込んだ高校生活を終え、進路選択の時期を迎えた中地萌さん。「やっぱりスポーツと関わる人生を歩みたい」という強い思いから、同志社大学スポーツ健康科学部への進学を決めました。
同志社大学スポーツ健康科学部は、関西屈指の名門学部として知られており、多くのアスリートや指導者を輩出しています。高校時代に培ったスポーツマンシップと学業成績が評価され、指定校推薦での入学が叶いました。
6年ぶりのゴルフ復帰と厳しい現実
大学入学後、心機一転してゴルフ部への入部を決意。「せっかく大学で新しいことに挑戦できるなら、もう一度ゴルフに向き合いたい」という純粋な思いからの復帰でした。
しかし、6年間のブランクは想像以上に大きな壁として立ちはだかりました。
復帰初期の困難
- スコアが100を超えてしまう日々
- 感覚の取り戻しに苦労
- 同期部員との技術的な差
- 競技レベルでのプレー感覚の喪失
努力が実を結んだ4年間
それでも中地さんは諦めませんでした。「自分の成長がすぐにスコアに表れるのが楽しい」と前向きに捉え、練習と試合への出場を重ねていきます。
大学時代の主な実績
大会名 | 成績 | 備考 |
全国大学対抗戦 | 団体3位 | チームでの快挙達成 |
関西学生秋季大会 | 158ストローク(79・79) | 個人での安定したプレー |
ベストスコア | 68 | 卒業時点での自己記録 |
再び燃え上がったゴルフへの情熱
「なぜここまでゴルフに夢中になれたのか?」という問いに対し、中地さんは明確に答えています。
「一度離れたからこそ、ゴルフがどれほど自分の人生にとって大切か気づけた」
バスケットボールで培った体力やチームワークが、今度はゴルフの成長を力強く後押ししました。どんなに思うようにいかない日があっても、努力した分だけ必ず前進できるという確かな手応えと喜びを、再び味わうことができたのです。
鳴尾ゴルフ倶楽部研修生〜プロテスト合格まで
プロを目指す決断
同志社大学卒業を控えた中地萌さんは、人生の大きな分岐点に立っていました。一般企業への就職という安定した道もありましたが、大学時代に再燃したゴルフへの情熱が、プロ挑戦への道を選ばせました。
プロ挑戦を決断した理由
- 大学時代の仲間や指導者からの後押し
- 「もう一度本気で夢を追いかけたい」という強い思い
- 一度離れた経験があるからこその覚悟
- ゴルフでの可能性への確信
選んだ道は、関西屈指の名門・鳴尾ゴルフ倶楽部での研修生生活。伝統あるクラブで一からプロとしての基礎を学び直す覚悟を固めました。
研修生時代の厳しい日々
研修生としての毎日は、アマチュア時代とは全く異なる厳しさがありました。
研修生の主な業務
- 早朝からのコース整備作業
- クラブハウスでの接客業務
- 練習とラウンドの繰り返し
- プロとしてのマナーと技術の習得
「アマチュア時代とは全く違う厳しさがある」と語る中地さんを支えたのは、恩師である水巻善典プロの存在でした。「せっかくここまで戻ってきたんだから、続けないともったいない」との言葉が、プロへの覚悟をより一層固めるきっかけとなりました。
プロテスト挑戦の軌跡
プロテストへの道は決して平坦ではありませんでした。何度も壁にぶつかりながらも、諦めることなく挑戦を続けた5年間の軌跡をたどってみましょう。
プロテスト挑戦の歴史
回数 | 結果 | 詳細・学び |
1回目 | 一次予選敗退 | +30・85位、大舞台での緊張を痛感 |
2回目 | 順位上昇も不合格 | 経験値の向上を実感 |
3回目 | 最終進出惜敗 | あと一歩のところでの悔しさ |
4回目 | 2次止まり | 焦りや悔しさとの戦い |
5回目 | 合格 | 286(-2)・7位タイで念願達成 |
5度目の正直、ついに夢の実現
2024年、JLPGA第97期生プロテストでついに悲願を達成しました。
合格時の詳細記録
- 最終スコア:75・71・73・67=286(-2)
- 順位:7位タイ
- 特徴:最終日に67の好スコアで確実に合格圏内へ
「今までの遠回りや悔しさ、努力のすべてが、この一瞬の喜びに変わった」
涙ながらに語った中地さんの言葉には、5回の挑戦で培われた深い感動が込められていました。
プロ転向後:着実な歩みを続ける現在
2025年シーズンの活動状況
2024年のプロテスト合格を受け、中地萌プロは2025年シーズンからJLPGA公認のステップ・アップ・ツアーを主戦場として活動しています。
目標と今後の展望
短期目標
- ステップ・アップ・ツアーでの上位入賞
- 安定したスコアメイクの確立
- レギュラーツアー出場権の獲得
長期目標
- レギュラーツアー初優勝
- 「応援してくれる人を笑顔にできるプロ」として成長
公式戦での着実な成長
現時点でJLPGAレギュラーツアーでの大きな実績はありませんが、ステップ・アップ・ツアーや新人戦への出場を通じて、着実に経験を積んでいます。
ファイナルQTでは146位という結果でしたが、これまでの遠回りの経験を活かし、一歩一歩確実にキャリアを積み上げています。
まとめ:遠回りこそが真の強さを育む
中地萌プロの歩みは、まさに「人生に無駄な経験はない」ということを証明してくれる物語です。
小学生時代に全国レベルの舞台を踏み、一度はゴルフから離れてバスケットボールに熱中した6年間。大学で再びクラブを握り、研修生として一から鍛え直し、5回のプロテスト挑戦を経て夢を実現——。
中地プロが教えてくれる大切なこと
- 遠回りした経験こそが、人としての幅を広げてくれる
- 一度離れた道でも、本当に好きなら必ず戻ってこられる
- 何度失敗しても諦めない心が、最後には必ず報われる
- チームスポーツで学んだ協調性が、個人競技でも大きな武器となる
現在はステップ・アップ・ツアーで着実に経験を積んでいる中地プロ。「レギュラーツアー初優勝」という明確な目標に向かって、今日も努力を続けています。
彼女の今後の活躍に、多くのゴルフファンが温かい声援を送り続けることでしょう。
FAQ(よくある質問)
- 中地萌プロはなぜゴルフを一度離れていたのですか?
-
中学・高校時代にバスケットボール部に入部し、チームスポーツの魅力に惹かれて6年間ゴルフから離れていました。個人競技では味わえない「仲間と一緒に戦う喜び」に新鮮さを感じたためです。
- 大学でのゴルフ復帰はスムーズでしたか?
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決してスムーズではありませんでした。6年間のブランクは大きく、最初はスコアが100を超えることもありました。それでも諦めずに練習を重ね、卒業時にはベストスコア68までレベルアップしました。
- プロテストには何回挑戦しましたか?
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計5回挑戦し、2024年のJLPGAプロテスト(第97期生)で見事合格を果たしました。1回目は一次予選敗退でしたが、挑戦を重ねるごとに着実に成長していきました。
- プロテスト合格時の成績を教えてください
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最終ラウンドスコアは75・71・73・67=286(-2)で、7位タイでの合格でした。最終日に67の好スコアをマークし、確実に合格圏内に入りました。
- 現在はどのような活動をしていますか?
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2025年シーズンはJLPGAステップ・アップ・ツアーを主戦場として活動しています。「レギュラーツアー初優勝」を目標に掲げ、着実に経験と実績を積んでいます。
出典一覧
※この記事は2025年6月24日時点の公式情報・大会記録・団体発表に基づき執筆されています。情報は今後更新される可能性がありますので、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
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