土木工事の夏季休工で仕事がなくなる?給料・日当・補償の仕組みを徹底解説

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土木工事夏季休工制度による給料・補償問題を解説する記事のアイキャッチ画像。2026年試行開始予定の制度で、正社員・一人親方・派遣など雇用形態別の対策を説明。
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お盆期間中の道路工事中止のお知らせを見て、「仕事がなくなったら給料はどうなるの?」と不安に感じた方も多いのではないでしょうか。

2026年夏からは、国土交通省が本格的な「夏季休工制度」の試行導入を検討していると報道されています。原則として会社都合の休業であれば休業手当(平均賃金の60%以上)の対象ですが、契約上あらかじめ「施工しない期間」として定められている場合など、休業手当の要否が分かれる可能性もあります。

この記事では、雇用形態別の補償内容と今からできる対策を詳しく解説します。

目次
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土木工事の夏季休工とは?2026年試行導入を検討

2026年夏からの試行を国交省が検討(報道)

報道によると、国土交通省は2026年夏から地方整備局発注の土木工事を対象に1-2か月程度の「夏季休工」の試行導入を検討しています。これまでのお盆期間中の路上工事抑制(約1週間)とは規模が全く違う構造的な変化となります。

対象となるのは屋外の土木工事で、道路舗装・盛土・埋立工事などが想定されています。一方で、緊急性の高い災害復旧工事や工期をずらせない工事は除外される見通しです。

猛暑による熱中症事故の深刻化が背景

この制度導入検討の背景には、建設業の熱中症事故の深刻化があります。2024年の職場熱中症による死傷者は1,257人で、そのうち死亡者31人の最多が建設業の10人でした。猛暑日・熱帯夜は今後も増加予測されており、構造的な対策が急務となっています。

お盆抑制との違いは「工期への織り込み」

これまでのお盆期間の工事抑制は、既に決まった工期の中での一時的な中止でした。各地方整備局が毎年度、交通混雑期の「路上工事抑制カレンダー」として公表している措置です。

しかし新制度では、最初から工期設定時に1-2か月の休工期間を織り込む点が大きく異なります。国土交通省の直轄工事では契約書に「工事を施工しない日・時間帯」を記載する運用があり、夏季休工についても契約段階で明記される方向性です。

正社員・日給月給の場合:休業手当60%以上が原則

労働基準法26条で平均賃金の60%以上を確保

正社員や日給月給の方については、労働基準法26条により、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合は「平均賃金の60%以上」の休業手当を受け取る権利があります。

ただし「不可抗力」(外部原因かつ最大限の注意でも回避不能)に該当する場合は、支払義務が免除されることもあります。また、契約上あらかじめ「労務提供義務のない期間」と位置づけられるケースでは、休業手当の要否は契約と就業規則の設計によって変わる可能性があります。

このため、就業規則・労使協定の確認が重要となります。

有給の計画的付与で満額支給も可能

企業は労使協定により「有給休暇の計画的付与」を導入できます。個人が自由に使える5日分を除く残りの有給を、夏季休工期間に一斉付与すれば満額の給与支給が可能です。

有給日数が足りない新入社員などには、特別休暇を付与するか休業手当で補填する必要があります。

他工事・屋内作業への振替も選択肢

雨天時の対応と同様に、企業は以下の選択肢から対応を決定します:

  • 休業手当の支払い(60%以上)
  • 他の現場や屋内作業への配置転換
  • 休日振替による工程調整

単純に「欠勤扱い」にすることは労働基準法上認められません。

一人親方は要注意:収入補償なし、自分で備える3つの方法

請負契約のため休業手当は一切なし

一人親方は雇用関係がないため、工事中止=無収入が基本です。労働基準法の休業手当は適用されず、補償は契約内容と自身の備え次第となります。

SNS上でも無収入直撃への不安の声が多く、最も深刻な影響を受ける層といえます。

特別加入は「ケガ・病気時のみ」で休工補償なし

労災保険の特別加入制度がありますが、これは仕事中のケガや病気で働けない場合の補償です。休工そのものの収入補填ではない点に注意が必要です。

給付内容は4日目から給付基礎日額の計80%(給付60%+特別支給金20%)ですが、あくまで「労災事故による休業」が対象です。

今からできる3つの備え

1. 小規模企業共済の活用 掛金残高の範囲内で契約者貸付が利用できます。掛金残高の7-9割、上限1,000万円で年0.9%程度の低金利融資が受けられ、一時的な資金繰りに有効です。

2. 経営セーフティ共済(倒産防止共済) 平時でも一時貸付金として解約手当金の95%まで借入可能です。掛金の最大10倍(上限8,000万円)の貸付枠があります。

3. 契約条項の見直し 今後の請負契約では、休工期間中の最低補償や代替業務の斡旋などを盛り込むよう交渉することが重要です。

派遣・日雇いの場合:派遣先の責任と給付金制度

派遣先には就業機会確保の法的義務

派遣労働者については、派遣法29条の2により、派遣先に「新たな就業機会の確保」や「休業手当費用の負担」などの措置義務があります。派遣先の都合による契約途中での一方的な打ち切りは法的に制限されています。

休業手当の支払い義務は派遣元にありますが、派遣先も相応の責任を負うことになります。厚生労働省の運用要領では、猶予期間の考え方など詳細な措置内容も示されています。

日雇いは「日雇労働求職者給付金」を活用

日雇い雇用の方は、雇用保険の「日雇労働求職者給付金」が利用できます。登録済みなのに就労機会がなかった場合の生活安定給付です。

制度利用には日雇労働被保険者手帳への印紙貼付など、事前の手続きが必要です。ハローワークで詳細を確認しましょう。

他現場への移動が現実的な解決策

派遣・日雇いともに、職業紹介を通じた他現場への移動が最も現実的です。夏季休工の工事があっても、屋内工事や緊急工事は継続されるため、完全に仕事がなくなるわけではありません。

ネットの反応:「人命第一だが収入が心配」の声多数

Twitter・Yahoo!コメントでの賛否両論

SNS上では制度の趣旨には賛同しつつも、収入面への不安が数多く投稿されています。

賛成派の声:

  • 「人命第一は賛成。だが賃金補償が要る」
  • 「温度基準やWBGTでの中止判断を明確に」

慎重派の声:

  • 「その間の金は?補償あるの?」
  • 「趣旨は賛成、賃金保証が要る」

夜間・早朝工事への騒音懸念も

代替案として挙がる夜間・早朝工事についても課題が指摘されています。

  • 「夜間早朝は苦情が増えそう」
  • 「騒音・住民合意が最大のボトルネック」

投光器・保安設備などの追加コストや、近隣住民との合意形成が新たなハードルとなる可能性があります。

一人親方の「無収入直撃」への深刻な不安

特に一人親方からは深刻な懸念の声が上がっています。

  • 「一人親方は休工=無収入が直撃」
  • 「対策費は誰が負担?」

雇用関係がないため、最もダイレクトに収入減の影響を受ける層として、制度設計での配慮を求める声が目立ちます。

まとめ:雇用形態別対策と2026年に向けた準備

雇用形態別対処法一覧

雇用形態補償内容対策・準備事項
正社員・日給月給休業手当60%以上または有給計画付与就業規則・労使協定の確認
一人親方補償なし共済加入・契約条項見直し
派遣派遣先の就業機会確保義務派遣元との契約内容確認
日雇い日雇労働求職者給付金手帳・印紙の事前手続き

今から準備できること

2025年中に確認すべきポイント:

  • 勤務先の就業規則と休業時の取り扱い
  • 一人親方は共済制度への加入検討
  • 派遣・日雇いは給付制度の手続き準備

契約条項への明記が重要に

建設業法ガイドラインでは、「工事を施工しない日・時間帯」を契約書に明記するよう求めています。国土交通省の直轄工事では、週休2日工事などで「対象外期間」を設計図書に明示する運用も進んでおり、夏季休工についても同様の対応が予想されます。

2026年の本格導入前に、休工期間や代替措置について契約で明確化することが重要です。

正式発表待ちのポイント

現在は報道段階のため、以下の詳細は正式発表を待つ必要があります:

  • 具体的な休工期間(地域・工種別)
  • 対象工事の詳細基準
  • 費用負担・変更契約の運用方針

※本記事は2025年9月24日時点の公表資料・報道に基づきます。夏季休工制度は国交省の正式要領公表前の報道段階であり、対象・期間・運用は今後変更の可能性があります。最新の国交省・地方整備局の発表および自治体の抑制カレンダーをご確認ください。

人命を守る重要な制度検討である一方、収入面での影響は避けられません。雇用形態に応じた適切な準備を進め、安心して制度導入を迎えられるよう備えましょう。

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