【家族必読】マイナ救急で子どもと高齢者を守る！緊急時に困らない準備と同意の全て

2025年10月から始まる「マイナ救急」をご存知ですか？

救急隊がマイナンバーカードを使って、あなたや家族の医療情報を瞬時に確認できる新システムです。子どもの学校での事故、高齢の親の急な体調不良など、「まさか」の時に家族を守る重要な仕組みとして注目されています。

でも「同意って必要？」「カードを忘れたら？」「子どもに持たせて大丈夫？」など、不安も多いはず。

この記事では、家族全員が安心して準備できるよう、マイナ救急の仕組みから具体的な準備方法まで、政府公式情報をもとに分かりやすく解説します。

マイナ救急とは？2025年10月開始で家族が知るべき基本情報

マイナ救急の仕組み

2025年10月1日から全国でスタートするマイナ救急は、救急隊がマイナ保険証（マイナンバーカードの健康保険証機能）を使って、搬送先選定を迅速化するシステムです。

救急隊が専用カードリーダーでマイナンバーカードを読み取ると、タブレットに以下の情報が表示されます：

• 直近3か月の受診歴・薬剤情報
• 45日間の電子処方箋データ
• 5年間の手術履歴
• 透析情報や特定健診結果
• 救急用サマリー（重要な医療情報を集約）

なお「6情報」（傷病名・感染症・薬剤アレルギー等・その他アレルギー等・検査・処方）も救急用サマリーに組み込まれますが、医療機関側の登録・共有状況に依存するため、医療機関が未登録の場合は表示されないことがあります。

従来の救急搬送との違い

従来の方法：家族の口頭説明や持参薬に依存。聞き取り漏れや時間のロスが発生。

マイナ救急：客観的データで迅速に病歴・薬剤情報を把握。適切な搬送先選定でゴールデンタイムを有効活用。

暗証番号は必要？

現場では原則不要です。救急隊員が顔写真と券面の写真を目視で照合すれば、暗証番号を入力せずに情報を閲覧できます。

意識を失った状態でも、本人確認ができればマイナ救急を活用できる設計になっています。

なお、病院側での閲覧は、施設の情報セキュリティ基準に基づき、二要素認証などの強固な認証と権限付与の下で運用されます。

※病院での救急時医療情報閲覧は、電子カルテ導入済みの病院が対象です（診療所は対象外）。

【重要】緊急時の同意ルール：意識不明でも情報は見られる？

同意が取れない時の対応

最も重要なポイントです。本人が意識不明で同意を取得できない場合でも、「生命・身体の保護のために必要」と判断されれば、同意なしで医療情報を閲覧できます。

これは個人情報保護法の例外規定に基づくもので、救命を最優先とする仕組みです。

閲覧履歴の確認

プライバシー保護も万全です。誰がいつ情報を閲覧したかは、すべてマイナポータルに記録されます。本人や家族は後から履歴を確認できるため、透明性も確保されています。

家族の代理同意について

「家族がいないと見られないのでは？」という心配は不要です。

要件を満たせば家族不在でも閲覧可能。ただし、意識がある場合は本人の口頭同意を原則とします。

「利用しない」設定でも救急時は有効

普段マイナ保険証の診療情報を「利用しない」設定にしていても、救急時は生命・身体保護のため情報が提供されます。まさに「命を守る」ための特別ルールです。

子どもの救急対応：学校・部活での事故に備える準備

子どものマイナンバーカード取得

年齢に関係なく取得可能です。15歳未満は法定代理人（両親など）が申請手続きを行います。

学校や習い事先での突発的な事故に備え、多くの家庭で取得を検討しています。

学校行事・部活動での活用

学校や主催団体の管理方針に一律の国ルールはありません。事前に学校側の方針を確認し、その範囲で携行を判断しましょう。

カード携行は各家庭の判断ですが、持参していれば以下のメリットがあります：

• アレルギー情報の即座な確認 
• 既往症・服薬情報の把握 
• 保護者到着前の迅速な対応

持参していない場合は従来通り、学校からの連絡と保護者の口頭情報で対応します。

子どもにカードを持たせる際の注意点

子どもにマイナンバーカードを持たせると、緊急時に迅速な対応ができますが、紛失や取り扱いには十分な注意が必要です。以下のポイントを押さえておきましょう。

• カードを安全に持ち歩く工夫をする
  カードは専用のカードケースに入れ、名札や学生証と一緒に管理すると安心です。
• 紛失時はすぐに利用停止手続き
  紛失がわかったら、24時間対応の一時停止サービスを利用して、悪用を防ぎましょう。
• 学校や施設の管理方針を確認
  学校や習い事先によって、カード携行に関するルールが異なる場合があります。
  事前に方針を確認し、家庭で対応を決めておくことが大切です。

アレルギー情報の事前準備： 医療機関の電子カルテへの登録と情報共有への同意により、救急用サマリーにアレルギー情報が表示される場合があります。未登録の可能性もあるため、お薬手帳・ICEメモで必ず補完しましょう。

未成年の同意について： 意識がある場合は本人の同意能力や状況を踏まえて判断されますが、意識不明等の場合は緊急時例外により同意なしで閲覧可能です。

高齢者・認知症の家族：施設入所や日常携行の注意点

認知症の家族への対応

判断能力が低下した場合の同意は、家族等と医療チームによる「推定意思・最善利益の原則」で対応します。

平時から「人生会議（ACP）」を行い、本人が望む治療や対応を話し合って記録し、家族で共有しておくことが大切です。

成年後見人の権限について

成年後見人は一般的に医療同意権を持ちません（厚生労働省ガイドラインに明記）。医療機関は本人の最善利益と推定意思に基づき、家族等との合意形成で対応します。

法定の家族優先順位は定められていないため、平時に代表者を話し合いで決めておくのが実践的です。

施設にいる家族のマイナカード管理

施設に入所している場合は、マイナカードが確実に使えるように準備しておきましょう。特に以下のポイントを押さえておくと安心です。

• 入所時にマイナ保険証の登録状況を確認
• 施設の保管ルールに従って安全に管理
• 緊急時にすぐ取り出せる場所と方法を決めておく
• 服薬情報を定期的に更新（処方が変わったら即対応）

※施設職員とも共有し、カードの所在・取り出し手順を当直者含め全員が把握できるようにしておくと万全です。

日常的な準備のポイント

日頃から準備を整えておくことで、緊急時も落ち着いて対応できます。特に以下の3つを意識しておきましょう。

• ACP文書の作成
  元気なうちに、本人が希望する治療や介護内容を家族や担当ケアマネジャー、かかりつけ医と話し合い、文書にまとめて共有しておきましょう。
• 服薬情報の最新化
  処方内容が変わったときは、受診先の医療機関と情報共有し、常に最新の服薬一覧を保つことが大切です。
• 家族内の連絡体制整備
  緊急時に誰が対応するかをあらかじめ代表者として決めておき、連絡の流れや手順（緊急時フロー）を家族全員で確認しておきましょう。

救急現場で家族がすべき3つのこと【実践編】

1. カードの迅速な提示

保管場所の家族共有が最重要です。

• 財布、専用カードケース、バッグなど保管場所を家族全員が把握
• 「マイナンバーカードがあります」と救急隊員に即座に伝達
• カードが見つからない場合は探す時間を短縮し、口頭情報を優先

2. 閲覧同意の意思表示

「閲覧に同意します」を明確に伝える。ただし、同意困難な状況でも要件を満たせば閲覧されるため、過度な心配は不要です。

本人が意識不明の場合：

• 家族から「情報を見て適切な処置をお願いします」と伝達
• 後から履歴確認できることも安心材料

3. 補完情報の提供

マイナ救急と併せて以下を伝達：

即座に伝える情報：

• 直近の服薬変更
• アレルギー反応の詳細
• かかりつけ医の名称・連絡先
• 発症時の状況

#7119（救急安心センター）の活用： 判断に迷う時は救急要請前に相談。家族の負担軽減につながります。

動揺した時のためのメモ準備

ICE（緊急時情報）をスマホやカードケースに：

• 緊急連絡先
• 服薬・アレルギー情報
• かかりつけ医情報

冷静に話せない状況でも、メモがあれば確実に情報を伝えられます。

よくある不安と疑問：カード忘れ・家族不在・プライバシーの心配

カードを忘れた場合はどうなる？

通常の救急診療は問題なく受けられます

マイナ救急は使えませんが：

• 救急搬送・診療は従来通り実施
• 保険資格確認は他の方法で対応
• 家族の口頭情報や持参薬で対応

カードがなくても救急医療を拒否されることはありません。

家族が誰もいない時は？

条件を満たせば家族不在でも情報閲覧可能

生命・身体保護が必要と判断された場合：

• 同意取得困難でも閲覧実施
• 閲覧理由と経緯を記録
• 後日マイナポータルで履歴確認可能

一人暮らしの高齢者や単身赴任中の事故でも対応できます。

プライバシーは大丈夫？

マイナ救急では、プライバシーを守るために強固なセキュリティ対策が導入されています。

主なセキュリティ対策：

• 顔写真照合による本人確認必須
  救急隊員がカードの顔写真と本人を照合し、本人確認を徹底しています。
• 専用端末でのみアクセス可能
  一般のパソコンやスマホではなく、認定された救急専用の端末からしか情報にアクセスできません。
• 全ての閲覧履歴を記録・本人確認可能
  どの救急隊員が、いつ、どの情報を見たかが記録され、後日マイナポータルで本人が確認できます。
• カード携行の安全性は政府が解説済み
  紛失時は24時間対応の一時停止サービスがあり、悪用を防止できます。

情報が古くて役に立たない？

A. 救急用サマリーは直近情報を重視した設計

マイナ救急では、救急時に必要な情報ができるだけ最新の状態で確認できるよう、以下の工夫がされています。

更新タイムラグへの対策：

• 直近3か月の受診歴を優先表示
  最近の受診や治療内容がすぐ分かるように、最新3か月分を中心に表示します。
• 重要な情報は長期保存
  透析や手術歴など、緊急時に必須の情報は数年単位で保存されます。
• 口頭での補完情報も活用
  救急隊員が家族から直接聞き取った情報と合わせて判断します。
• 定期的な受診で情報を更新
  受診や検診を重ねることで、常に最新情報がシステムに反映されます。

このように、最新データと過去の重要情報をバランスよく活用し、緊急時に正確な判断ができる仕組みになっています。

誰が代表で判断するの？

法定序列はなし。平時の話し合いが重要

日本では、家族内で「誰が判断するか」という法定順位は決まっていません。
そのため、普段から話し合い、緊急時の窓口をあらかじめ決めておくことがとても大切です。

家族代表を決めるポイント：

• ACP（人生会議）で代表者を事前に指定
  本人が元気なうちに、治療や介護の希望を話し合い、誰が代表として判断するかを明確にしておくと安心です。
• 家族間で緊急時の連絡フローを共有
  いざという時に慌てないよう、「誰が医療機関と話すか」「誰が他の家族へ連絡するか」を事前に決めておきましょう。
• 医療機関は合意形成を重視して対応
  医療機関は、本人の推定意思と最善利益を尊重しつつ、家族全員と合意形成を図る形で対応します。

このように、事前に準備しておくことで迷いが減り、緊急時の判断がスムーズになります。
特にACPは、家族の安心にもつながる大切な取り組みです。

まとめ：家族を守るマイナ救急の準備チェックリスト

マイナ救急は、大切な家族の命を守る強力なツールです。2025年10月の開始までに、しっかり準備しましょう。

今すぐできる準備（全家族共通）

• マイナ保険証の登録確認（未登録者は即座に登録）
• カード携行ルールの決定（保管場所・持ち出し方法）
• #7119の番号保存（判断に迷った時の相談窓口）
• ICE情報の準備（スマホ・カードケースにメモ）
• かかりつけ医での情報共有同意（6情報の電子カルテ登録のため）

子ども向け準備

• 学校の管理方針確認（携行ルールの事前確認）
• アレルギー情報の医療機関共有（お薬手帳・ICEメモでの補完も必須）
• 紛失時の対応方法を子どもに説明（24時間停止手続きの方法）
• 同意能力について家族で話し合い（年齢や状況に応じた対応の確認）

高齢者向け準備

• ACP（人生会議）の実施・記録（推定意思の明確化）
• 家族代表者の明確化（法定序列がないため事前決定が重要）
• 施設との管理ルール確認（カード保管・取り出し方法の確認）
• 服薬情報の定期更新（処方変更時の受診先での情報共有）
• 成年後見人の権限理解（医療同意権がないことの家族共有）

家族全体の準備

• 緊急時の連絡体制確認（代表者・連絡順序の明確化）
• マイナポータルでの履歴確認方法の理解（閲覧記録の透明性確認）
• 電子カルテ導入病院の確認（診療所は対象外のため搬送先の理解）
• 従来の救急対応との併用準備（カード忘れ時の口頭情報・持参薬の準備）

緊急時の行動フロー（家族向け）

1. カード確認・提示

• 「マイナンバーカードがあります」と即座に伝達
• 保管場所を家族全員が把握しておく

2. 同意意思の表明

• 「閲覧に同意します」を明確に伝える
• 意識不明時も緊急時例外で閲覧可能

3. 補完情報の提供

• 直近の服薬変更・アレルギー詳細
• かかりつけ医情報
• ICEメモの活用

4. 事後確認

• マイナポータルで閲覧履歴を確認
• 必要に応じて医療機関への問い合わせ

重要な心構え

準備は命を守る投資です。完璧を目指すより、できることから始めましょう。

• 情報の更新：定期受診時に医療機関での共有を心がける
• 家族での共有：全員が基本的な流れを理解しておく
• 柔軟な対応：マイナ救急は補助ツール。従来の方法との併用が基本
• 継続的な見直し：家族構成や健康状態の変化に応じて準備を更新

最後に：安心して活用するために

マイナ救急は、家族の安全を守る新しい選択肢です。

「備えあれば憂いなし」—制度を正しく理解し、適切に準備すれば、緊急時に家族を守る強力な味方となります。

不安や疑問があれば、かかりつけ医や自治体窓口に相談しましょう。一人で悩まず、専門家の助言を活用することも大切な準備の一つです。

大切な人を守るための一歩を、今日から始めませんか？

※本記事は2025年9月22日時点の政府公式情報に基づいて作成されています。最新の詳細については、デジタル庁・厚生労働省・総務省消防庁の公式サイトをご確認ください。