酸化チタンを用いた光触媒研究の世界的権威として知られる藤嶋昭さん。「光触媒の父」とも称され、ノーベル賞候補としても度々名前が挙がる著名な化学者です。
この記事では、藤嶋さんの学歴やこれまでの経歴をはじめ、ノーベル賞級の成果といわれる光触媒研究と中国移籍の背景、さらに妻や両親といった家族構成まで、気になる情報を分かりやすく整理してお届けします。
藤嶋昭の学歴と輝かしい経歴
藤嶋昭さんは東京大学大学院で博士課程を修了し、東京大学教授や東京理科大学の第9代学長などを歴任した日本を代表する化学者です。2017年にはその多大な功績から文化勲章を受章しています。
出身校・学歴の流れ
- 1942年3月10日:東京都世田谷区で誕生
- 幼少期:戦時中の疎開に伴い、愛知県(現在の豊田市足助地区周辺)で自然に触れながら小学校卒業まで過ごす
- 横浜国立大学工学部 電気化学科:卒業
- 東京大学大学院:1968年に修士課程修了、1971年に博士課程修了(工学博士取得)
大学院在学中、本多健一教授の指導のもとで取り組んだ「半導体の光電極反応」の研究が、のちの歴史的発見へと結びつきました。
主な職歴・役職
大学院修了後は、教育・研究の第一線で数々の重要ポストを務めています。
- 神奈川大学工学部:専任講師
- 東京大学工学部:講師、助教授を経て1986年に教授就任
- 東京大学大学院工学系研究科:1995年より教授
- 名誉職・学術団体:東京大学名誉教授(2003年〜)、東京大学特別栄誉教授(2005年〜)、日本化学会会長、電気化学会会長を歴任
- 東京理科大学:第9代学長(2010年〜2018年)を務め、現在は栄誉教授
主な受賞歴
長年の基礎研究と応用展開への貢献が高く評価され、国内外で栄誉ある賞を受けています。
- 朝日賞
- 紫綬褒章
- 日本国際賞
- 日本学士院賞
- 文化功労者
- 文化勲章(2017年受章)
光触媒研究の功績と「中国移籍」の背景
藤嶋さんの代名詞である「光触媒」の発見は、私たちの身近な生活を一変させました。また、晩年に報じられた中国・上海理工大学への移籍には、長年にわたる研究交流が背景にあります。
世界を驚かせた「本多-藤嶋効果」と身近な応用
大学院生だった1960年代、藤嶋さんは本多健一教授とともに、酸化チタン電極に紫外線を当てると水が酸素と水素に分解される現象を発見しました。
この現象は両者の名を取り「本多-藤嶋効果」と命名され、1972年に世界的科学誌『Nature』に論文が掲載されて国際的な大反響を呼びました。
当初は太陽光でクリーンな水素エネルギーを作る技術として注目されましたが、その後さらに以下の特性が実用化へと結びついています。
- 強い酸化分解力:排気ガスや油汚れ、菌を分解する(抗菌・防汚タイル、空気清浄機など)
- 超親水性:水滴にならず薄い膜状に広がる(セルフクリーニング機能付きガラスや外壁材、曇り止めミラー)
基礎研究にとどまらず、街のビルや住環境を清潔に保つ身近な技術として社会に定着させた立役者といえます。
中国・上海理工大学への移籍と深い関わり
2021年8月、藤嶋さんが研究チームとともに中国の上海理工大学へ拠点を移したニュースは、日本国内で「頭脳流出」として大きく報じられました。
しかし、この移籍は突発的なものではなく、数十年にわたる研究交流の延長線上にあります。
- 中国からの留学生を多数育成:指導した留学生の中から中国科学院の院士(最高峰の科学者)を輩出するなど、現地科学界と強固な信頼関係を築いていた
- 研究環境の提供:中国側が光触媒の応用に強い関心を持ち、手厚い研究予算や設備を用意した
長年の指導実績と、より自由かつ大規模に研究を深められる環境が合致した結果の移籍といえます。
藤嶋昭の家族構成(妻・両親・子ども)
世界的な研究者である藤嶋さんですが、プライベートや家庭事情については公表されている範囲が限られています。
妻は日本舞踊家の藤嶋とみ子さん
妻は藤嶋とみ子さんです。日本舞踊の世界に身を置いており、「花柳錦右(はなやぎ きんう)」の名で活動し、地域での文化振興などにも尽力されています。
子どもについて
お子さんに関する詳細情報は明かされていません。一般の方ということもあり、プライバシーに配慮されていると考えられます。
両親とのエピソードと戦時中の思い出
幼少期、父親の出身地に縁があったことから、2歳ごろに愛知県(現在の豊田市足助地区)へ疎開しました。
- 父親:足助地区にルーツを持つ人物とされています。
- 母親:戦時中の苦しい時代、疎開先で洋裁やミシン仕事をして家計を支えていたと伝えられています。夜道を手を繋いで歩き、学校で開かれた映画上映会へ連れて行ってもらった温かい思い出を、藤嶋さん自身がのちに回想しています。
自然豊かな環境で過ごした疎開先での日々や、家族と助け合って生きた幼少期の原体験が、のちの探究心や粘り強い研究姿勢の土台になったことがうかがえます。
藤嶋昭の経歴・研究・家族についてのまとめ
- 世界的な化学者としての歩み:横浜国立大学を卒業後、東京大学大学院を修了。東京大学教授や東京理科大学学長を歴任し、2017年には文化勲章を受章しました。
- 光触媒「本多-藤嶋効果」の発見:大学院時代に酸化チタンによる水の光分解を発見。エネルギー分野にとどまらず、防汚・抗菌ガラスや外壁材など、生活を豊かにする実用技術へと大きく発展させました。
- 中国との深いつながり:2021年の上海理工大学への移籍は、突発的なものではなく、長年にわたる中国人留学生の育成や研究交流という強固な信頼関係が背景にあります。
- 家族との背景:妻は日本舞踊家(花柳錦右)の藤嶋とみ子さん。戦時中にミシン仕事で家計を支えてくれた母親との思い出や、幼少期に疎開した愛知県での自然豊かな暮らしが、研究者としての温かい人柄と探究心の土台になっています。
偉大な発見で社会を支え続ける藤嶋昭さん。培ってきた確かな技術と知見は、国内外の枠組みを超えて今も次の世代へと受け継がれています。


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